この傷はな…
劉温「はーい、劉温ヨ」
劉温「今回は孫権の部下の話アル。やっぱり呉は相変わらずネ」
どこの陣営にも、多勢の軍を前にしても生き延びる無双な軍人が存在する。魏の張遼、蜀の趙雲、そして呉の周泰。彼らは、地道に武芸を磨き上げた結果、無双と言われる境地に達したのだろう。今回は、呉の周泰の、無双と忠義の物語である。
とある反乱戦鎮圧の折、孫権は前線にて指揮を執っていた。この時代、国のトップが指揮を執るというのは珍しくなかった。だが、トップが指揮を執ったからといって…。
「やだ…、私の軍…、弱すぎ…?」
その時、城付近の兵は少数しかいなかった。そして、反乱軍が結構な数で強襲を仕掛けてきたのだ。これは負けて当然と言えた。そして、あえて言えばここで孫権は命を落としていたかもしれなかった。
しかし、命の危機にある孫権を守ったのは周泰というこの時まだ名の知られていなかった武人だった。
「孫権様!おさがりを。ここは私が!」
「それは死亡フラグだが…。まぁいい。任せたぞ!」
こうして周泰は12の傷を負いながら孫権を守りきった。因みにこの戦いの結果は気にしてはいけない。もともと才能を持っていた周泰はこの戦いの後、さらに活躍し、将軍の地位を手に入れ、部下が出来た。しかし…。
「なんかアイツやばくね?」
「気に入らねぇわ~」
周泰は部下に恵まれなかったのだ。周泰はたたき上げの武人であったため根っからの武人には気に入られなかったのである。孫権は周泰にそんなおバカさんが沢山いる事を知り、宴会を開いた。
「お前たち。周泰の体の傷の由来を知っているか?」
酒を飲みながら孫権は言って、宴会に参加した周泰の部下を見た。そして一つずつその傷の由来を語った。この日を境に周泰の部下は、周泰への偏見を改め従っていく事になった。気に入らないから従わないという人間は、それだけの何かを望んでいるというだけであることを覚えていてほしい。
相変わらずの呉クオリティありがとうございます。
劉温「血の気の多い野郎はやっぱり呉で間違いないアル」
でも体の傷を一つ一つ説明してくれるのはなんだか誇らしいですよね。
劉温「でも場所考えろヨ」
それではこの辺で!
劉温「バイバイアル」




