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私は…

劉温「にーはおー、劉温ヨ」


劉温「今回は『後悔』という『呪い』にかかった英雄の逸話ネ」

後悔とはどんなに悔やんでも取り返すことのできない過去の事。それは歴史的偉人であっても例外はない。あの時、あんな事をしなければよかった…。そんな声は過去の自分に届く事はない。それこそ過去に飛ばない限りは…。


後の世に名高き乱世の奸雄こと曹操は三国における魏の基盤を作った天才的人物である。しかし、そんな彼にも悔やんでも悔やみきれない大きな後悔があった。


「あの時…、あんな事をしなければ…」


今回の物語はこんな曹操の呪いのような呟きから始まる。


………………………………………………………………

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………………………………………………………


時は少しさかのぼり、場所は宛。曹操の部下に張繍ちょうしゅうという人物がいた。彼は降伏し部下になったため曹操を快く思っていなかった。


「いつかギャフンと言わしてやる!足の小指でもぶつけてしまえばいいんだ!」


そして張繍にチャンスが訪れる。曹操が張繍と血縁関係のある張済の未亡人とうつつを抜かしていたのだ。これに張繍は激おこぷんぷん丸に進化した。


「アイツ…、俺の親戚に…!何てことだ!!」


そんな張繍に恐れおののいたのか曹操は張繍暗殺計画を企てた。たかがこんなことで暗殺するとはさすが曹操、スケールが違う。しかし…。


「暗殺計画はバレているぞー!城を明け渡せー!」


因みに城は宛城の事である。計画がバレた曹操は、城を張繍の軍に囲まれピンチを迎えた。曹操は迎え撃つも状況的に勝てる訳がなかった。しかしそんな時…。


「父上!私の馬でお逃げください!!」


そう言ったのが丁夫人の義理の息子、曹昂であった。彼の本当の母、劉夫人は曹昂を産み早くに亡くなってしまったために丁夫人が劉夫人の代わりに母親をやっていた。


「お前は大事な息子だ。一緒に行こう…」


「いえ、行ってください!では、行ってまいります」


こうして曹昂はこの言葉を最後に帰ってくることはなかった。この時、曹操の腹心であった典韋てんい曹安民そうあんみんが共に壮絶に散っていった。


曹操は相当に悲しんだ。腹心が散ったのを…。


「あぁ、お前ら…。何で先に散ってしまったんだ…」


この曹操の嘆きに激怒した人物がいた。丁夫人である。彼女は曹昂の義理の母で曹昂を我が子のように愛していた。


「腹心よりも我が子の死を嘆いたらどうですか!こうなったら実家に帰らせて頂きます!」


「え?ちょ、え?」


こうして丁夫人は宣言通り実家に帰って行った。さすがの曹操もこれは予想外だったようで…。


「俺が悪かった…。だから戻ろう?な?」


曹操は丁夫人を追って実家に来ていた。そして布を織る丁夫人の背中にこの言葉をかけた。しかし丁夫人は口を噤み作業を続ける。


「そうか…、そんなに…」


曹操は改めて事の重大さに気が付いた。未亡人に手を出した挙げ句に息子を死なせたのだから最早弁明の余地なしだろう。


「落ち着いたら私の所に戻ってくれよ…」


そう呟き、曹操は実家を後にした。そして丁夫人は二度と戻ってくることはなかった。


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「あぁ、あの時は、無理やりにでも連れて帰るべきだった…」


無理もない。当時の曹操は帰ってきてくれると信じていた。しかし丁夫人は顔を見せる事はなかった。


「あぁ、曹昂…。今もしお前が現れて、『母さんはどこですか?』と聞かれたら、私は何て答えればいいんだ…」


後悔先にたたず。過去に行った行動は直す事はできない。自分が行動の行く末は、まさに天命が知る所にあるだろう。しかし、曹操は天子を保護し天命を受けているに等しい状況にあったにも関わらず、後悔をするということは彼は『只の人間』だったということだろう。

…。なんか深いですね…。


劉温「そうネ…。国を治める者にとって家臣を失うのは辛い。でも…」


親として子供を失うのも辛い。そんな想いがそれぞれに出た感じですね…。


劉温「誰アルね…、曹操が悪役にして書いたのは…」


三国志の蜀の人物が作者ですよ。敵だから悪役とかふざけてますね…。


劉温「全くヨ」


ではでは。この辺で。


劉温「バイバイネ」

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