礼を尽くす
劉温「は~い、劉温ヨ~」
劉温「今回は国として必要な政治家もとい軍師の迎え入れの話アル」
蜀の当主、劉備が旗揚げして少し経った頃、劉備陣営を悩ませていた問題があった。
軍師が居なかったのだ。
一つの軍を動かす身としては、軍を動かす脳が必要である。この時の劉備陣営には体の手足があっても指示を出す頭が無かった。
「誰か忠節を尽くしてくれる周瑜的な軍師いないの~?司馬懿的な人はいらないわ~」
「その疑問には私が答えましょう!」
そう答えたのは徐庶だった。当時の劉備陣営の軍師的な人物である。彼は司馬徽の優秀な門下生であり、孔明の友人だった。
「マジで!?天才居るの?」
「はい。私の学友である諸葛孔明という人物が居ます」
「諸葛…?臥龍のことか…?」
孔明がまだ劉備に仕えていなかった当時、彼は司馬徽から臥龍と呼ばれていた。これは『まだ臥せている龍』という意味でつけられた。
「はい。彼は塾でも飛び切りの天才でした」
「じゃあ呼んできて!」
「彼は自分から行かないとダメだと思いますよ…」
「なん…、だと…?」
こうして世に有名な三顧の礼が始まった。
【一度目】
「ごめんくださいな!!」
劉備は諸葛邸に訪れた。
「はいはい」
家の中からとある人物が現れた。
「あなたが神か?」
「は?」
「間違えました。あなたが諸葛亮さんですか?」
「いや、私は弟の諸葛均ですよ。今出かけてますね~」
「嘘だ!!」
【二度目】
「ごめんください!」
反応がない。もぬけの空のようだ…。
【三度目】
「ごめんくださ…」
そこから見えたのは昼寝をする諸葛亮だった。その時、劉備が取った行動はというと…。
「待つか…」
しばし待った後、諸葛亮の目が覚めた。
「はて…?お客さんですか?起こしてくれてもよかったのに」
「諸葛亮殿!会いたかったぞ…!是非あなたを軍師として迎えたいのです」
劉備は早速本題を切り出した。
「私をですか?他を当たってくれませんか?」
「三回も来たのに…」
「三回も!」
諸葛亮は驚いていた。ここまで熱意を持って接してくれる人物は珍しい。だからこそ。
「いいでしょう、結びましょう。その契約!」
こうして三顧の礼は成功し、忠節を尽くしてくれる軍師を劉備は手に入れた。
この話は三国志でもっとも有名なんじゃないでしょうか?
劉温「そうネ。三国志自体を知らなくても三顧の礼っていう言葉自体を知ってるはずヨ」
日本では豊臣秀吉が竹中半兵衛に行った事で有名ですね。
劉温「へぇ…、知らなかったアル」
それではまた会いましょう~。
劉温「再見ヨ~」




