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十の勝因と敗因

劉温「今回は人材マニアと名高い曹操と傾き者の軍師、郭嘉のお話ネ。」


劉温「軍師の観察眼は本当にすごいヨ。」

魏の曹操には、様々な軍師がいる。郭嘉もその一人である。彼はDQN、もとい不良であったのはここでは割愛。ちなみに彼は、初期の曹操を支えたじゅんイクの推挙で面談し、軍師となった。今回はその時のお話。


「貴様か…。荀イクが全力プッシュしてきたのは…。」


「はい、この時代はコネクションがものを言います。」


こうして曹操と郭嘉の歴史的会談が始まった。


少しして曹操が切り出した。一国の主ならば持つであろう真っ当な悩みを口にした。


「なぁ、郭嘉…。実は、私は悩みがあるんだ。」


「悩みが無い事が悩みだったら聞きませんよ?」


「んな訳あるか!あのな?今、袁紹えんしょう青州せいしゅう并州へいしゅうを治めてる。正面から行けばまぁ、負けるだろう。どうすりゃいいかね?」


この時、曹操は河南かなんから長江ちょうこう以北までを支配していた。袁紹はその上の青州や并州を含む北を支配していた。まだ当時の曹操は強大な勢力ではなく、その代わりに袁紹が大きな勢力であった。


「大丈夫です、曹操殿。あなたには勝利する十の理由があり、袁紹には、負ける十の理由があります。」


郭嘉は胸を張り、そう言ってのけた。そして続けた。


「まず、法則についてです。袁紹は様々な儀式や作法を好んで用いていますが、曹操殿は、自然体でそのままです。なにものにも囚われない曹操殿は負けるはずがありません。」


「お、おう…。」


人間は褒められるとうれしいものである。そのためか分からないが、曹操は止めなかった。


「次は、義についてです。袁紹は皇帝に逆らい、行動していますが、曹操殿は皇帝を保護し、行動しています。」


「構わん、続けろ…。」


「次に、政治です。袁紹は締まりなく締まりのない者を救おうとしています。故に救うことができません。曹操殿は厳しさをもって政治をしているため、優れています。」


ここまで来ると曹操はニヤニヤは止まらなかっただろう。


「次は、度量についてです。袁紹は、寛容に見えて実は疑い深く、親戚や子ばかりを信用しますが、曹操殿は分け隔てなく信用し、才能さえあれば誰だって雇用します。故に曹操殿は度量が優れています。」


曹操は、政策の中で求賢令きゅうけんれいを出している。これは、才能さえあれば出自は問わない、と言ったものである。


「次に、策謀についてです。袁紹は謀議が多い割りに決断力に乏しく、よくチャンスを逃しますが、曹操殿は、方針が定まればすぐに実行し、環境の変化に合わせることができるので、曹操殿は優れているでしょう。」


後五つ。長いと思ってはいけない。


「次は、徳についてです。袁紹は代々に渡って得られたものを基礎に、高尚な議論と謙虚さで評判を得たために、議論や外見を重視する者が集まりましたが、曹操殿は真心を以て待遇し、誠意を持って行動するために中身のある人間はあなたに仕えたいと思うようになります。この点で袁紹に勝っています。」


ここまで来ると袁紹がかわいそうになってくるが、仕方のないことでもある。


「次は、仁愛についてです。袁紹は目の前の飢えている人には憐みの情を出しますが、見えない所の場合は思慮が及ばないので考えません。曹操殿は、本当に小さいものは見逃してしまうかもしれないが、大きなことになると、様々な人物と接し恩愛を与えます。それは全て期待以上であり、目に見えないこともしっかり考え処置するので、この点も袁紹に優れています。」


もう止めて郭嘉!袁紹のライフはもうゼロよ!


「次は、聡明さについてです。袁紹の家臣は讒言ざんげんによって混乱しておりますが、曹操殿は道義を以て制御し、讒言の入り込む余地が無いので袁紹に勝っています。」


因みに讒言とは、ありもしないことを言いふらすことである。


「次に、法政についてです。袁紹は善悪をハッキリさせることは無いですが、曹操殿は善しとする場合は礼を以て押し進め、善しとしない場合は法を以て正すので、袁紹より優れています。」


忘れてはいけないが、俺ルールを発動しているだけである。


「最後に、軍事についてです。袁紹は虚勢を張っているものの軍事を全く理解しておらず、曹操殿は少数精鋭にて多数に勝ち、軍略は神の如くです。味方はそれを頼り、敵はそれを恐れます。この点も袁紹に勝っています。」


そして最後にこう付け加えた。


「曹操殿は、これだけの勝因を持ち合わせているのでございます。」


曹操は、これらの言葉を聞いて満足してうなずいた。これだけの観察眼を持ち合わせているということはもあり、優秀な軍師と判断した。


「私の覇道を完成させることのできる者はこの郭嘉のみだ。頼むぞ…!」


曹操は才能があれば出自を問わない。人格がよければなおさらである。


「あなたこそ私の王だ!あなたに尽くす!あなたに仕える!どうか私を導いて欲しい!同じ夢を、見させて欲しい!」


「…付いて来れるか?」


「もちろんです!」


こうして郭嘉は曹操に仕えた。そして様々な策や進言をして曹操を支えて行く事になる。


しかし天才の運命か、この者も早死にすることになる。そして有名な赤壁の戦いの前に死んでしまう。赤壁の戦いの折、曹操は「もし郭嘉さえ居れば…!」と嘆いたと言われている。

お久しぶりです。お待たせしてすみませんでした。


劉温「一体どこで遊びほうけてたアルか?」


勉強だし!


劉温「勉強なら小説書けないはずアル!」


ぐっ!それだけ郭嘉さん書きたかったんですよ!


劉温「普通に勉強しとけば郭嘉さんみたい天才みたいになったはずネ!」


はい、すみませんでした…。


ではでは…。

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