友よ…
劉温「今回は…、グスッ、曹操と袁紹の…、ヒッグ、涙溢れる絆と友情の逸話ヨ…、ズズズ。」
劉温「それではご覧あれ…、ヒッグ。」
官渡の戦いは曹操にとって赤壁の戦いに次ぐ大きな戦いである。この戦いで曹操は勝利し北に一大勢力を築く。相手は袁紹、曹操のライバルであり、友であった。
「北の領地寄越せ!」
「知るか!」
曹操は兵糧を攻めこの戦いに勝利する。そして、袁紹はこの戦いの後に病によって死んでしまう。しかし、忘れてはいけない。この戦いは敵同士とはいえ、友が雌雄を決したのである。
この戦いが終わった後、曹操は袁紹の墓の前に立っていた。
「本初、昔は共に反董卓軍を起こしたな…。俺はその時のに聞いたな…。」
『本初、もしこれが失敗したら、どうするんだ?』
『孟徳、お前こそどうするんだ?私なら北の異民族の地を治め南を睨む。』
『俺なら、あらゆる分野の知識人をかき集め、適材適所配置する。これが天下統一の近道だろう。』
『そうか…。』
「こんなやり取りが昨日の様に感じる。しかし、お前はもうこの世にいない…。だからこそ、私はここまで来た。もし俺が本初に負けていたならば、同じ事をしてくれていただろう。」
本初と孟徳、つまり袁紹と曹操はどこまで行っても友だった。互いに勢力を起こし戦いあっていたとしても、それは変わらない事だった。
後に曹操は、袁紹の夢を背負うかの如く、北の地を平定し南を睨んで行く事になった。
曹操は様々な才能を持ち合わせる英雄だったのかもしれない。しかし、彼は友の死を嘆く只の人でもあったのを忘れてはいけない。
劉温さん、はい、ハンカチ。
劉温「ありがとうヨ…。」
あぁ、こんなに目頭腫らしちゃって…。でもまぁ、今回は三国志には珍しい人情物語ですから。私もこの逸話を知った時に目頭に何か来るものを感じたくらいですから。
劉温「さすが曹操さんヨ…。」
ですねぇ。
それではそろそろこの辺で~。
劉温「バイバーイネ~。」




