戦の合間
「スイ元帥、あちらから停戦の要請がきました。」
そういって書状を持ってきたのはスイ元帥の部下ミン大佐である。
「どうしますか、ローゼン伯爵。」
「あちらは大分困っているようだが、こちらとして停戦するよりこの機会に一気にたたいた方がいいねぇ。まあ、裏切り者もわかったことだしねぇ、ミン大佐。」
「!!!」
ジュリエットことローゼン伯爵の言葉にその場にいたスイ元帥とカイル将軍は黙り込んでしまう。
「君の家だよねぇ。情報を流しているのは。
おかしいと思ったんだよね。停戦の要請がこんなに早くくるの。
本当は向こうから停戦要請なんてまだきてないんだろう。こちらに停戦要請を出したふりをしてその間に向こうの立て直しをはかるつもりかなぁ。」
「ミン大佐、なぜ君の家が…。」
スイ元帥は驚きを隠せない。ミン大佐の家は、スイ元帥の生家リンデンベルグ家に次ぐ軍閥の名家だった。
「彼を、捕えて牢にいれよ。」
カイル将軍の命令により天幕の外にいた兵の1人がやってきてミン大佐を捕える。
「さて今後の方針を考えよう。」
そうジュリエットが2人に呼び掛けた時国王からの使者が訪れた。
使者は、ジュリエットに向かって書状を渡す。
「至急、本国にお戻りくださいと、国王命令です。」
使者は、厳かにジュリエットに命を告げる。
書状を読んでいるうちにジュリエットの顔は青くなっていった。