黄金の都
一か月後
「アリア、今から始めましょう。」
そう、ジュリエットは微笑んでいた。黄金の都と呼ばれるここメレヌス帝国の首都コテンバーグにふさわしい大胆な笑みで会った。
一か月前、公爵の領地から帝都向かう道でジュリエット達はとある宿屋に泊まっていた。その宿に酔ったことこそがジュリエット達に幸運をもたらすことになった。
公爵邸を出発してから3日後、チャングンという大きな都市の貴族御用達の月の宿と呼ばれる宿屋に泊まることになった。
ジュリエットは、この宿屋で一番良い部屋に泊まることになった。もちろんパールバン公爵よりもよい部屋である。この部屋には、7つの小部屋がついており貴人用と呼ばれるのに充分ふさわしい部屋であった。この小部屋には、専属侍女のアリアの他に公爵邸から連れてきた3人の侍女、ルイーゼ、アメリア、アンナがともに泊まることになった。警護の者は部屋の外にいるものも部屋の中には5人である。この宿は、アンナの父親が経営しているということも道中で聞いたのだった。アンナは、貴族ではないものの富豪の令嬢で花嫁修業の為に公爵邸で侍女として働いていたのだ。
「アリア、ルイーゼ、アメリア、ここに書いてあるものを買いに行ってちょうだい。」
そういって、ジュリエットはアリアがまとめた欲しい物リストを3人に渡し、買い物にいかせた。
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「アンナさん、あの3人は外に使いにやりました。今から今後のことを話しましょう。」
そうジュリエットは、アンナにささやいた。
「ところで、その前にもう一度見せてくれない?」
少し警戒しながら、アンナが言った。
「いいわ。」
ジュリエットは、答えるや机の上にある羊皮紙にメソポタ王国情報部の紋章を描いた。この紋章は、国王と諜報部の幹部しか知らない極秘情報である。さらに、紋章の下に自分の階級を表す花の絵を描いた。もちろん、本来の階級でなく、侍女として潜入する際に必要な仮の階級ではあったが…。
「そして、証は?」
そう言われると、ジュリエットは服の中にしまってあるガラス玉のついたネックレスをみせた。このガラス玉、よくみると中に情報部の紋章が彫ってあるである。
「あなたは、潜入17部隊総括副隊長のジュリエットで間違いなさそうね。」
「そうよ。紋章は事前に調べておいてくれたの?」
「ええ。」
「では、今度はあなたの証を、それを見せて頂戴。あなたの証を。」
ジュリエットに言われて、今度はアンナが同じようにガラス玉をみせた。
「これは、メレヌス帝国チャングン支部長の証。あなたなら信用してよさそうね。では今から作戦会議しましょう。」
こうして私は、マリアと決めた作戦を秘かにアリアに教え、実行したのであった。
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