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散逸した草稿 - 短編集。  作者: 毒島複廊
35/36

題:仮面の

仮面のお話です。

 部屋に帰ると、知らない奴がいた。テーブルに向かって座っている。ドアの開閉音で気づいたのだろう、おもむろに振り向いたそいつの顔には、


 仮面があった。


 白くてのっぺりした仮面に、目と口の部分だけ穴が空いている。その部分も肌が見えるかと言われれば、黒く塞がれている。まるでそういう顔であるかのように。


 異常な状況に不気味な相手が合わさって腰が引ける。もしかして部屋を間違えたんじゃ、とさえ。でも扉は間違いなく私の鍵で開いた。じゃあ、あれは?空き巣や泥棒には見えない。堂々とし過ぎているし、逃げる様子もない。落ち着きを払って、まるで元から一緒に住んでいたみたいに当たり前にそこにいる。


 もしかして……誰かのイタズラ?そう思いたいけど、合い鍵を持っているのは大家さんくらいで、あの人はこんな変なことしないし、だいいち今は旅行中のはずだ。


 どう考えても不審者だ。考えるまでもなく不審者だ。せっかくバイトが終わってのんびりできると思ったのに。今日はもう外出の予定入れてないから。なかなか綺麗に空くことってないのに──そう思うと、なんだかムカついてくる。逃げる気はないみたいだし、追い出してやらないと。


「ぉいッ!なんだお前!」


 胸倉を掴み威嚇する。ちょっと怖くて声が小さくなっちゃったけど、これで


「?」


 そいつが首を傾げた瞬間、目と口の黒から靄のようなものが放たれる。急いで離れようとするも、あっという間に吸い込んでしまって。


 気が付くと、私は私を見ていた。どうして?違和感を覚えて顔を触ると、硬い質感。まるで仮面のような。目の前の私が笑った気がした。

読了ありがとうございました。

不法侵入ってされたことないけど絶対怖いですよね。

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