序章
二作目です。至らない所等ありますがよろしくお願いいたします。
我が国はもう何十年も前から敵の大国と戦争状態にある。
俺は今日も槍を持って前線までやって来た。怖く無いと言えば嘘になる。だがお国と家族の為だ、やってやろうじゃないか。
『敵』が見えてきた。今日は虎と狼か……しかしいつも思うがでかすぎる。こいつらは敵の使い魔。術者が依代に霊力と低級霊を注ぎ込んで出来たものらしい。術者が近くに居れば居るほど強くなるらしいが、いつも術者の姿は見えない。……なめられている。だがそんな状態の使い魔にも俺達は勝てるかどうかわからない。
敵がこちらに気付いた。やらなければ、やらなければ。
「おおおおおおお!!」
俺は虎に槍で目一杯応戦した。だが……
ざしゅっ……!
俺はいとも容易く使い魔の前足の一撃にやられた……。
ああ……くそ……ここで終わりか……。そう思った刹那、俺の前に女の子が躍り出た。いつの間にか狼の方は倒されていた。「漢字持ち」か……。ああ、俺にも「漢字の力」があればもっと戦えたのにな……。羨ましくて、恨めしい。女の子が虎に身長の倍以上ある薙刀で一撃を入れた瞬間、俺の意識は途切れた……。