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暗闇の中で。(1)

・・・さむいっ...


今日は朝から雪が降っており、風が入って来ない防空壕の中でも寒い。


外では雪が降っているけど、防空壕の中ならと思っていたけど、予想よりずっと寒く。風はないが冷たい空気が外から防空壕の中で地面を伝って入ってくるのがわかった。

流石にこんな場所で眠ろうなんて、無理だ。

この状態で眠れるような奴は、よっぽど着込んでいるか、寒さをあまり感じない人間だけだろう。さすがに、この寒さは身体に悪い。


自分の人生に絶望はしてるけど、自殺願望はない。

自分がこんな所で死ねば、間違いなく世間は病気を苦に自殺...

そんな死に方をしたら、墓に眠っている家族の名誉を汚す事になる。

家族の名誉を汚すのはゴメンだ。

どんな事があって、自分から自殺は選択しない。

そう自分に言い聞かせて、今まで生きてきた。

生に対しては強欲に。孤独な人生でも苦ではない。



冬は病院で過ごすのが一番かな...


腰を上げ、携帯をポケットから取り出し、ライトをつける。

暗闇の中で防空壕の中の埃が反射して見える光の道。

その光の道を防空壕の入り口の方向を照らすと、人影がくっきりと浮かんだ。


誰かが入り口のある方向で立っている。


予想外の事で驚いてしまい、心臓の鼓動を感じる。


この鼓動は、やばい...

自分の鼓動がこめかみ部分ではっきりとわかる。

鼓動の急激な変化に身体がついていかない。

目をつむり、ゆっくりの息を吐く。


「立っている人間に驚いて死ぬとかありえねぇ。かっこ悪すぎる」


頭の中でつぶやき、脈を整える。

血圧が高くても駄目。脈拍が早くても駄目。

それが血小板が少ないという持病を持った人間の定めだ。


目をつむり、自分だけしか存在しない暗闇の世界を作りだし、心を落ち着かせる。


右手を心臓に当てて、心臓の鼓動が落ち着くの確認する。

頭の中で誰かが立っている事をイメージして、目を開ける。


「わっ...」


目の前には、携帯のライトでうっすらと見える女の顔。


突然の出来事に携帯電話を放り投げ、

恐怖と驚きで尻餅をつく。

防空壕の中に鈍い音が響く。


『痛っ』


どこかの角で尾てい骨を強打。痛い。


激痛で声はでない。

痛みのあまり呼吸ができない。

突然の出来事で、アドレナリンが分泌される。

アドレナリンが分泌された事により、

一気に血圧が上がる。


ーーイタイ。イタイ。イタイ。


頭の中で叫ぶ。

こめかみで脈を感じる。

一瞬で、自分の身体が危険な領域に飛び込んだ事に気づく。

ごくわずかな間隔での、2回目血圧上昇。

1度目で、もし小さな出血していたとしたら、

この2度目の上昇は、確実に危険な出血となる。


ーークソッ!この馬鹿野郎。なんでそんなとこにいるんだよ。


痛みで声もでないし、呼吸もできない。

呼吸ができない苦しみで、鼻に突き刺す様な痛みがはしる。

目に涙がたまる。

痛みというストレスにより、ノルアドレナリンが分泌される。

恐怖が怒りに変わる。


暗闇の中の女の顔があるであろう場所をにらみつける。


「これで死んだら、マジで一生恨むからな」


ノルアドレナリンが分泌された事によって、

普段では自制している感情が爆発をする。


目を閉じて、痛みと心臓の鼓動が落ち着くのをじっとまつ。


「1、2、3、、、」


頭の中で数を数えて、心臓を落ち着かせる。


「*+◇※▲∴÷;¥!”#$%&’()=◎〜|▽♪>?+*‘P`={}_?>□●」


女の声が聞こえる。

何を言っているのか全くわからない。意味不明の言葉を言っている。


おでこに、何かが触れる感触。

突然の感触にぞっとして、目を開く。


真っ白な世界...

身体が動かない。

おでこに触れているのはなんなのかわからない。

目を開いているはずだが何も見えない。


さっきの女はどこに行った?

この真っ白な世界はなんだ?

なぜ身体が動かない?


頭の中をいろいろな事がめぐる。


心臓の鼓動は今まで感じた事がないほど早くて激しい。


間違いなくヤバイ。


意識が...


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