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054 分担作業

 フロイデをヒューズ王国に送り返した後に、再びルヘンと部屋で今後について語りあう。


「主君が、リッチのままだと困るのじゃ。我といい事も出来んのじゃ。本当の正体が不死王(リッチ)だったら弊害も多いからの。我は賢者の石以外は用意可能なのじゃ。集めてきてやるのじゃ」


「弊害?」


不死王(リッチ)を幻の能力で普通の人間にする事に相当魔力を消費しているはずじゃ。本来、寝なくて良いはずじゃが夜眠くなるのじゃろ?」


不死王(リッチ)だったら眠らなくて良いのか?」


「そうじゃよ。主君は、リッチが眠くなるほど毎日魔力枯渇寸前まで能力を使っているのじゃ。主君の能力は幻の能力とリッチの能力の魔力を物質化する錬金術の合わせ技じゃな。魔力増大分だけ幻が実際に現実に作用していく。今も進化中じゃろ? 主君の幻は、リッチの錬金術を通して本物になっていく範囲がどんどん大きくなって来ているはずじゃ」


 確かに、現実と変わらない物を出現させてれるようになった後にも、ニュンがどんどん強くなっている変化があった。更にニュンから聞いたが壊れた鎧も自動に修復すると言っていた。


「では、時間逆行の術式に必要な賢者の石を俺は取得しに行く。ルヘンは、その他のダンジョンコアと秘宝を集めに行く感じにするか?」


「あと主君の増大する魔力を消費せねば、人間に戻るまでは危ないのじゃ。ニュンペーを出現させて消費してヒューズ王国と同じ様に、徳を稼がせれば良いのではないかの?」


「それで行こう!」


 ニュンを出現させて今までの経過をニュンに説明した。手分けして後日から実行する事になった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ハビル帝国にあるジョル町の冒険者ギルドの受付に全身黒鎧の人物が現れた。


「クラスシルバーのニュンペーだ。報酬は条件に含まないが長年解決しない依頼はないか?」


 報酬にこだわらない冒険者も珍しいと受付のビャッコは思った。

 ビャッコは、豹の耳と尻尾を持つ四十代のふくよかな肉体を持つ。

 元クラスがゴールドであるが、過食症になってしまったがゆえに太って弱くなったから引退した変わり者である。そのために、相手の強さを感じる能力にはたけていた。


 ニュンペー? 聞いた事が無い名前だ。ヒューズ王国からの流れ冒険者かな? ただ、クラスがシルバー? この気配はゴールドに達しているぞ。

 ちょうど一番厄介な顧客である十老からの塩漬け案件が沢山あったはずだ。

 受付の奥の資料から去年から未解決の十老の依頼をニュンペーの前に並べた。


「どれを受ける?」


「全部だ。全部受けよう」


「え? もしも達成不能の場合は、違約金が発生するが良いのか?」


「私に不可能はない」


 そういうとニュンペーが首に下がっている黒い石のアクセサリーに触れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ルヘンが、ゲンワクに出現させてもらった飛竜ワイバーンで未踏破ダンジョンを目指していた。

 ハビル帝国には、三カ所にダンジョンがあるが、七カ所にあるヒューズ王国と比べてダンジョンが少ない。

 未踏破ダンジョンは、ジョル町から飛竜ワイバーンで半日ほどのグラ地下迷宮のみである。


「転移門を出してもらって一気に行った方が良かったかと思うが……いちど飛竜に乗ってみたかったのじゃ! た、楽しいのじゃ!」


 ルヘンが、飛竜の飛行を楽しみながら、懐から魔道具の通信できる道具を出した。


「メッキ? 聞こえるかの?」


『これは、ルヘン様。お変わりないようで。ちょうど良かった。ゲンワク様の行方を知りたいのですが知りませんか? 異世界のワインをいただこうとお忍びで王都に行きましたが、みつからないのですよ」


「主君ならハビル帝国にあるジョル町にいるのじゃ。ただ賢者の石を精製するらしいから移動してしまうかもしれんのじゃ」


『それは、かなり距離がありますね。私に通信したと言う事はなにか助けがいるのですか?』


「グラ地下迷宮を攻略してダンジョンコアを手に入れるのじゃ。手伝ってくれなのじゃ」


『本気ですか? あそこには竜王がいますが?』


「本気じゃよ。ドラゴンゾンビにでもしてやるのじゃ」


『それは楽しそうですね。いまからダンジョンへ向かいます』


「よろしく頼む」


 通信を切ると、飛竜ワイバーンに自分の魔力を譲渡して、さらに加速してグラ地下迷宮を目指した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 賢者の石の精製法が酷かった。

 賢者の石を触って賢者の石の精製法を知るという、一見すると矛盾している行動だな。


 宿屋でニュンとルヘンと朝食を食べた後に二人と別れて、長期で借りている部屋に戻って試行錯誤している。


 いままで世界には、賢者の石の精製に成功した人物は二名いる。


 前例があるなら、俺なら余裕だぜっと思ったが……

 まず精製に必要な第一段階から無茶だった……


 初めの一段階目で一万人の魂が必要であった。

 広大な範囲に術式魔法陣を展開して、その上で一万人を殺さなくてはいけない。

 戦争中ならまだしも、いまは難易度が高い!


 過去に成功した二人は、一人は狂った宗教を利用して集め、一人は戦争を利用して集めたそうだ。

 ルヘンは、各地のダンジョンにその術式を展開して、ダンジョン内で死亡した人の魂を集めていたようだった。

 彼女の場合は無限の命だったから、集まるまでのんびり待つ気だったようだ。


 と言う訳で精製はあきらめて、現存する二つの賢者の石を手に入れる事にした。

 精製しなくてもどこかに二つ存在するのだから盗む事も視野に入れようと考えた。


 一つは、ベルド共和国の四天王と言われる魔人が装備している。

 一つは、獣王の王冠に埋め込まれていた。


 獣王の王冠は、年に一度の闘技大会優勝者が優勝時に使うもので年に一度だけ宝物庫から出される。

 うむ……危険だがちょうど王城の宝物庫の近くにいるわけなので、盗もうと考えたが……徳が下がる可能性が……

 よし、ベルド共和国の四天王の方に行ってみよう!

 なにしろ、自分が不死王リッチなのを知ってしまったから怖いものが減ってしまった。

 そう決めて、ベルド共和国へ行く転移門を開いて移動した。

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