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048 救援要請

 フロイデに能力に関して全てを話した。


 俺が召喚術師ではなく幻の能力者である事。

 前世を覚えていて(よいおこない)を集めている事。

 前世は異世界だった事。

 ニュンは、異世界の人物で俺が幻で出現させた人である事。

 フロイデの護衛に付けたムストの事。


「ふぅん。信じられませんが、異常な事務能力や全然儲からない依頼ばかりをニュンが受けている事や私が死んでも生き返った事に関して納得はいきました。何で隠していたんですか?」


「前世の記憶があって(よいおこない)を集めてるって変な宗教みたいで信じる人もいないかと。あと危険に関しては避けたいので目立ちたくないですからね」


「目立ちたくない? その割には、私を助けてくれましたね。責任は取ってくださいね!」


 フロイデが表情はニコニコして俺を見つめるが目が怖い。


「と、とりあえずこれを使ってくれ。その眼鏡で見た際に赤く見える人物は、過去に罪がない人を自分の意思で殺した事がある殺人者だ。躊躇せずに倒すべきだ」


 徳を見る眼鏡を幻で出現させてフロイデに渡した。


「それって、事故とか誤って殺した人も赤く見えるの?」

「それは大丈夫だ。必然や偶然、もしくは仕方が無い場合の殺人は徳の変動に含まれない事は確認している。赤くなる奴は、殺さなくても良い選択肢がある場合に殺した事がある人物だ」


「それは、便利だけど何故そんなに詳しいの?」


 フロイデに首から下げている賢者の石を渡した。


「黒い石!?」


 恐る恐る触ると、フロイデが驚く。


「これって賢者の石!!」


「説明してる暇がないので、その石に聞いてくれ。町の半分がネオンの関係者だ。倒しにいくぞ!」


「わかったはニュンは地下の掃除中ね。地上は私たちで掃除しましょう」


 賢者の石を渡した途端に自分で調べて現状を理解出来たようだ。

 フロイデが腰の収納袋から弓と矢を取り出して装備した。

 俺もライフルを構えていて冒険者ギルドから出撃した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 目を覚ますと体が治癒されていた。

 鎧も時間によって破損部が自己修復されていた。

 治癒能力は、聖女の能力だな。前よりも早く治癒されていようだ。この世界では使えば使うほど能力が伸びるのだったな。


 落ちている黒鎧の頭部を髪を掻き上げて再びかぶる。

 落ちている剣を拾うと、先ほど殺した男の首が満面の笑みで落ちていた。


「何に満足したのだろうか?」


 再び豪華な回廊を進むと、豪華な扉を見つけた。

 中を覗くと、裸の男と裸女が複数人ベットで寝ていた。

 徳を見る眼鏡で男を見れば真っ赤であったが、それ以外は赤くなかった。


 音を立てずに近づくと、裸の女たちには色々な傷が見受けられ、拷問器具などが散乱している。

 男は寝ていたが、数人の女が目を覚ます。


 指を一本立てて口に当てた。

 静かにして欲しいジェスチャーが伝わったのか、騒がないで私を見つめてくる。

 獣人が多いようで動物の耳のような耳をしている。


 ズバ!


 音も立てず近寄ると男の首をはねる。血吹雪がベットを濡らした。


 女たちには鎖が付いていたので外して行く。

 聖女の力で怪我をしている数人も治癒をしていると、奥の扉が開いて男が女を連れて入ってきた。


「バース皇子様! 希望してた武器屋の娘を連れて来ましたぜ」


「や、やめて!」


 連れてこられた女が首に首輪をされて、繋がれてた鎖を引き寄せられて苦しんでいた。


「妹がどうなてもいいんだったら別にいいんだぞ」


 ケイトの姉にようだな。目的の人物のようだ。


「妹のケイトなら主君が保護して武器屋に連れていったぞ」


「な!? 何だお前は? あれ! バース皇子? ひひぃぃ死んでる」


 ベットの横にバース皇子の首が落ちているのを見て同様しているが、こいつは赤くなかった。


「お前は、良い奴のようだな。逃げていいぞ」


「ひぃい!」


 男が逃げ出した。

 ケイトの姉の首輪を外して、男がやってきた扉から外に出る。

 数人のネオンの関係者が現れて襲ってきた。

 さっき逃げ出した男が、襲ってきた男達の後ろで殺されていた。


 とても虚しくなるが、再び殺戮を開始した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 フロイデと二人でアッシド町を蹂躙する。


 弓矢が飛び交い、多くのネオン関係者が倒されていく。

 弓矢を回避できても俺のライフルが、逃亡者を逃さない。


 ネオンの事を良く思っていない人々もいて、稀に助けてくれる。


 俺の背後から斬りつけようとした男を、更に背後からフライパンで殴りつける宿屋の女将。

 フロイデ弓矢を盾で跳ね返しながら接近する大男に、二階の窓から投石して、投げる石がなくなったのか最後は植木鉢が男の頭に当たり昏倒した。


 フロイデが賢者の石を触りながら、現状をどうするか考えているようだ。


「主君! 冒険者ギルドに一度戻って遠距離通話の魔道具を使って獣人の国から応援を依頼しましょう」


「主君って!? 獣人の国と言うとハビル帝国? なぜヒューズ王国じゃないんだ?」


「ゲンワクの事は賢者の石で全て知ったぞ。ニュンの真似をして主君って呼ばせてもらう。なんか御伽話の中に自分がいるみたいな感じがするんだ。

 ヒューズ王国じゃないのは簡単だよ。ネオンの関係者にバース皇子が関与しているし証拠隠滅されて終わってしまう。戦争になるかもしれないが、ハビル帝国の軍隊を使ってこの町の治安を回復する必要がある」


「戦争!?」


「ここまで、裏で獣人を誘拐していたのだから回避は難しいかと……いや回避可能かな……まぁ呼び出そう」


 二人で冒険者ギルドに移動して、ハビル帝国の冒険者ギルドを通して軍隊を要請した。


 ほとんど地上のネオン関係者は、ほとんど倒したが地下には相当の数がまだいるようだ。


 地下への隠し通路の一つだった町長の屋敷からニュンを探しに地下へ再び潜った。


「まさか、フロイデが町長を見た瞬間に弓矢を脳天に当てると思わなかったよ」


「真っ赤だったし賢者の石で町長が今まで何をしていたか全部知ったから話す事すらしたくなかったの」


 冤罪で間違える事もない、徳を見る眼鏡と賢者の石の組み合わせは恐ろしいな。

 冒険者ギルドの地下への通路は、洞窟のようだったが町長の屋敷の地下は宮殿みたいな通路が続いていた。


 豪華な扉があったので覗いてみると、血だらけのベットと男の生首が落ちていた。


「ニュンがここを通ったのかな?」


「そうっぽいわね……その生首…… バース皇子……これは……み、見なかった事にしましょう!」


 フロイデが、挙動不振になって更に奥に部屋に移動した。

 俺はその跡を追うのだった。


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