序章
俺は宮坂智和。25歳、童貞ニートだ。
15歳の時、交通事故に遭って死んだことがある。
その日は自分の誕生日で、家族(4人)で寿司屋(回転寿司)に行っていた。行き帰り車だったが、帰りに居眠り運転のトラックが中央分離帯を越えて猛スピードで突っ込んできた。
死んだかと思った。ガチで。でも死んでなかった。なぜか?その理由は・・・思い出せない。なんだったっけ?
・・・思い出した。
確かトラックにぶつかられて俺は即死したはずだった。はずだった。
次に目が覚めたら、俺は雲に乗っていた。
そう。空に浮いているあの白ーい雲だ。
目の前に見知らぬ人物が出てきた。
その人物は天照大御神と名乗り、俺にいくつかの能力を与えた。
確か時間跳躍、念動力、瞬間移動の3つを与え、目の前から消えた。
「しぬなよ。」という意味深な言葉を残して。
3度目に目を覚ますと、今度はあの車の中に戻っていた。事故る前の。
あれから10秒ほど経ったときだろうか。トラックが中央分離帯を乗り越えてこちらへ突っ込んできた。
とっさに念動力を発動させてトラックを空中に一度浮かせた後、強制的にブレーキをかけて地面に着地させた。
これにより、俺は時間を越えて生き返ったおかげで、「即死したのに生きている」という矛盾を背負いながら生きることになった。