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もしかしたら俺は賢者かもしれない  作者: 0
一章 賢者の片鱗
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馬小屋で一泊!情報整理と状況確認

 マーデイル家で食事を頂いたあと、なぜか一緒に食事していたハルガルに馬小屋へ案内してもらった。

 マーデイルが何も言わなかったから、たまに一緒に食事をしているのだろう。

 馬小屋に案内してもらい、ワラに布を巻いて簡易ベッドを作ってくれた。帰り際に問題は起こすなよと念を押して帰っていった。意外と優しい虎男さん。

 さて、運良く泊めてもらえたが、明日の朝には買い物して出ていかなくてはならない。

 金はないから、物を売るか物々交換でなんとかするしかないだろう。できれば、売ってこの国の金を手に入れたいところだ。

 今、所持しているものを確認して、明日物々交換で使えそうなものを選んでおくか。

 マーデイルに借りたランプの前でリュックを開き、中の物を次々と出していく。


 【持ち物】

   リュックサック

   いちごみるく飴 1袋

   手作りナイフ

   スマホ

   モバイルバッテリー

   弁当箱

   水筒

   調味料各種(塩、胡椒、砂糖、マヨネーズ、醤油、ソース)

   メモ帳

   ボールペン、シャーペン、シャーペンの芯

   本

   痛み止めの薬、風邪薬


 こんなものだな。これの他には財布と日本のお金が入っているが、役に立たないな。

 売れるものとしては、マーデイルが貴重と言っていた、いちごみるく飴だな。あとは調味料だが、これは売りたくない。もし飴が売れなかった時には最終手段として考えておくぐらいだな。

 どうして調味料を持ち歩いているのかだが、食べる前にかけたいから。ご飯にしみてほしくない派なのだ。

 もう少し大きな街に辿り着くことができれば、調味料や本で、もしかしたら大金を手に入れることができるかもしれない。これもマーデイルから教えてもらった情報だ。

 あとは、何を売ってくれるかだが、見てみないとわからないな。

 考えても仕方ないのでメモ帳とシャーペンだけ残し、あとはリュックに戻す。

 マーデイルに教えてもらったことを書き留めるのだ。

 話した内容を思い出しながらメモ帳に書き込んでいく。


 この国の貨幣は、鉄貨、銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨で取引されているらしい。

 例題をあげ、どの程度のお金で買えるのか聞いてみたら、次のような価値だというのががわかった。


 1鉄貨…1円

 1銅貨…10円

 1銀貨…100円

 1大銀貨…千円

 1金貨…一万円

 1大金貨…十万


 この上に白金貨というものがあるが、百万相当らしく滅多にお目にかかれないらしい。そして、鉄火というのも殆ど使われていないそうだ。

 魔法というのも、この世界にはやはりというか存在するらしい。

 マーデイルも少し使えるらしいが、見せてはもらえなかった。残念。

 魔法を教えてもらいたかったが、専門の教職でなければ教えるのは難しいみたいだ。そして魔法学校というものがあるらしい。入学したいね。俺も魔法使ってみたいもの。

 スキルについても聞いてみた。どんなスキルを持っているかは他人に教えないほうが良いみたいだ。例えば、戦闘スキルを持っていないと教えてしまえば、狙われてしまうかもしれないからだ。魔法もそういう理由でおいそれと他人の前で使えば、対策されてしまうかららしい。

 これは大事なことだ。だって俺、スタンドって意味のわからないスキルしかないから。

 そして、モンスター。この世界では魔物と呼ばれている。

 そちらも存在するみたいだ。この辺では、それほど強くはない魔物が出るらしい。角兎と呼ばれ、主に食肉として狩られている。魔物の肉、食えるんだね。そして、俺がいた山には最近になってコボルトという魔物が出現しているみたいだ。地球の物語では、犬型の顔している精霊やら、妖精やら言われている。元素のコバルトが由来だ。こちらの世界では、魔物と呼ばれているくらいだから攻撃的なのだろう。

 俺が山にいた時に聞こえた鳴き声はコボルトだったのかもしれない。出会わなくてよかった。

 この国の話も少し聞けた。この国は、オーセリアン王国といい、大陸の中央に位置し、他国に囲まれているそうだ。他国についても聞こうかと思ったが、今は必要ないだろう。現在地的にはオーセリアン城の南東方面。この村に来る時に通った川の向こう側がシリウス帝国というらしい。

 情報はこんなものだ。メモ帳とシャーペンをリュックにしまい、ワラのベッドに寝転がる。チクチクとするが寝れないことはない。

 ようやく一人で考える時間が作れたからか、色々考えてしまう。

 この世界に放り出され、明日以降も不安ではあるが、これからの生活を期待している自分がいる。


 「今まで社畜生活だったからなぁ。危険はあるけど、少し楽しみだ」


 自分で言うのもなんだが、俺はかなりの趣味人だと思う。サバイバルから物作りまで全て挑戦してきた。就職するまでは、アルバイトである程度お金を貯めたら、趣味のために全財産使い込んでいた程である。今の会社に入ってからは、趣味に費やす時間は減っていき、本を読み知識だけが増えている状態だったから、理不尽で無理矢理だとはいえ、色んなことを試す機会が訪れたことを喜んでいるのだ。

 さらにいえば、ここは魔法が存在する世界だ。新たな知識を得ることに期待は膨らむばかりだ。

 しかしだ。あのステータスとスキルはちょっと問題だよなぁ。


 「スキル」


 呟くとスキルが浮かび上がってくる。


 「お?!」


 驚くことにスキルが増えていたのだ。


 【スキル】

   スタンド

   走法

    ・スプリント レベル2

   歩法

    ・忍び足 レベル2

   話術 レベル3


 スキルが3つも増えている。正確に言えば5つに増えたが、走法と歩法に派生がある。

 行動した際にスキルが増えていくみたいだ。増えたスキルについては見たままだった。

 しかし、いきなりレベルが2とか3とかだな。なんでだ?一応ステータスも確認してみるか。

 ステータスを表示すると、こちらにも変化があった。ユニークスキルが判明していたのだ。


 ユニークスキル  勇往邁進


 「おぉ!なんかかっこいい!どんなユニークスキルなんだろ?」


 ユニークスキルを注視すると説明文がでた。


 勇往邁進…恐怖を感じにくくなる。ステータス、スキルの成長速度が大幅アップ


 これは、かなり良スキルなのでは?そういえば、虎男のハルガルに最初会った時も、あまり怯むことなく話せたことを思い出した。そして、成長速度が早いというのは、凄いことだろう。

 このあとも、チートスキル筆頭のアイテムボックスみたいなのがないか、色々試してみたが残念ながらそんな都合のいいものはなかった。

 とりあえずは、明日以降色んなことをしていこう。スキルを上げていくのだ。

 色々試すことが、楽しみになってきた。まずは、戦闘訓練でもやってみるかな。

 そうと決まれば、さっさと寝よう。

 ランプを消し目を瞑ると、疲れていたのかすぐ眠りについた。

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