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もしかしたら俺は賢者かもしれない  作者: 0
十三章 憤怒の像
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箱の中身

 16階層の殲滅が終わった。終わったと言っても、俺が望んでいた皆殺しに出来たわけではない。

 所々でうめき声が聞こえるのがその証拠だ。

 確実に急所を突き、息の根を止めてきたのは俺だけ。

 というより、他の皆は生死を気にしていないというのが正しい。戦闘不能に出来れば良し、そう考えて戦ってきたのだろう。

 個人的には、重傷で苦しむ方が可哀想だと思うのだが、それは別に良いな。どうせ個人的な考えだ。

 ただ、エルだけは明らかに急所を外して攻撃していたように思う。手足を重点的に狙って、出来る限り殺さないようにしていた。

 それがエルの優しさなのだろう。

 それに対して、俺は怒ることも説教することもしなかった。嫌がっていることをさせるつもりはない。

 これは戦争だ。相手は俺たちを殺しに来ている。殺さなかったそいつが、次は俺たちの誰かを殺すかもしれない、などと説得の言葉は色々と思いついてもだ。

 俺が必要と思っているだけで、エルにとっては不必要なことなのだ。

 エルは助けることが目的で、その手段として強さを求めている。最初から殺すことを考えから除外しているのだろう。

 でもその結果、エルに後悔してほしくないとは思う。俺たちで彼女をサポートしなければな。

 色々な事を経験して悩むと良い。それが彼女の強さになる。

 それに戦闘不能なら問題ない。

 エルには言っていないが、生き残っている兵士たちはきっと生存できないだろう。

 ここはダンジョン。魔物がいるのだ。

 戦闘不能は死と同義。次戻ってくる頃には、死体はなくなって鎧だけが転がっているだろう。

 だからこそ俺は五月蝿く言わないのだ。

 ごめんね、エル。君のお兄ちゃんは、実は最低な人間なんだ。

 そんなことを悩みながらも16階層を抜ける。

 魔力も最初だけ多く使ったが、まだまだ余裕がある。これならば問題はないだろう。

 15階層。クラーケンが待ち構えるボス部屋。まあ、部屋ではなく、海が一望できるキレイな砂浜だけど。しかし、ここの主であるクラーケンの姿はない。

 おそらく、ボスが出た瞬間に王国兵が一斉に倒しているのだろう。

 海の中からちゃぽりと顔を出すと、当然というか王国兵が砂浜で防御陣形を組んで待ち構えていた。

 だろうね。それが感想だった。

 16階層の入り口で戦っていた時、良さげな服を着た奴らが逃げていくのが見えた。おそらく貴族か王族。あいつらが追ってくると伝えたはずだ。

 だけど、待ち構えているぐらいでは俺を止めることなど出来ない。

 即座に連続魔法を砂浜に向け発射し、まとめて殲滅。罠もなく、ただ固まって待っているだけならどうということはない。ただ、魔法をぶっ放しただけだから、生き残っている兵士がいるかもしれない。

 しかし、それはもう無視する。

 ここからはスピード勝負。17、16階層までは、魔法都市が近いということもあって殲滅を意識した。だが怪我人、または無傷でも数人なら問題ない。魔物が徘徊する16階層以降を、その状態で突破など出来ない。

 運良く魔法都市に辿り着けたとしても、入り口を塞ぐ石の壁を崩すことなど出来はしないからだ。

 ただし、王国のテントだけは全て中にあるものごと燃やし尽くす。この中に医療品、ポーションがあるのは都合が悪い。

 俺は丁寧にテントを火の魔法で燃やしつつ進み、そして14階層、水辺エリアへと出た。


 ――――――――――――――――――――――――


 クリスティアン、イザベラ、そして護衛をしたクラノスは11階層へと辿り着いた。

 イザベラのテントへと転がり込むように入り、置いてあった水差しをガブガブとコップに移さずに飲む。

 王族らしからぬ行動だが、死に直面した人間ならマナーなど気にもしないだろう。

 クラノスでさえ、はしないなどと叱ることはしなかった。


 「はぁはぁ、なんなんだ!なんなんだよ、あの化け物は!!」


 クリスティアンは口から垂れる水を腕で拭い、見てきたことを思い出すとぶるりと身震いさせて大声を上げる。


 「氷の王……ですわ。氷の、王……」


 イザベラも似たようなものだった。戻ってくるまでに流した汗や、漏らした尿をドレスに染みさせ、そのままの姿で地べたにへたり込んでいる。

 ただ、クリスティアンと違うのは、明らかに正気ではないこと。その表情はどこか恍惚としていて、何もない中空を一点に見つめ、ずっとぶつぶつと何かを言っている。

 それがたまたまクリスティアンと会話が成立したに過ぎない。


 「はぁはぁ、そ、そんなこと、はぁはぁ、そんなことを聞いているんじゃ、ない!」


 クリスティアンもイザベラが良くない状態だと知っているが、余裕がないからか苛立ちをそのままぶつける。


 「クリスティアン殿下、今は息を整えるために休まれたほうがよろしいかと」


 クラノスがこう言うと、クリスティアンは「わかっている!」と怒鳴ってから黙った。

 二人は疲労の限界だが、クラノスだけは二本の足で立っている。肩で息はしているが、まだまだ余裕がある。

 16階層から逃げた三人は走った。

 途中、すれ違う兵士に敵が来ると伝えた時以外は走り続けた。

 普段から優雅にを意識している王族二人は、走るという行為をしない。なのに長距離を走りきれたのは火事場のくそ力に他ならない。

 流石なのは、若い二人より遥かに歳を重ねているクラノス。

 現役ではなくとも鍛えることを続けていた。だからこそ火事場のクソ力などと言った人体の奇跡に頼ることなく、自力で走りきった。

 そんなクラノスは、二人を見つめながら考える。

 この場にエドワルドが居なかったことが残念で仕方がない。しかし、この場にエドワルドが居なかったことが幸運だったと。

 この経験は必ずエドワルドを強くするという教育者としての考えと、こんな危険な目にあってほしくないという親のような考え。

 相反することを考えていたことに気づき、思わず口元をニヤけさせる。

 それをクリスティアンは見逃さなかった。


 「何を笑っている、クラノス。まさか王族のこんな姿を見て、ほくそ笑んでいるわけではないよな?」


 クラノスは慌てて口元を押さえる。


 「笑っておりましたか?」


 「しかと見た。兄上の護衛だから、僕たちがこんな目にあっているのが可笑しくて仕方ないのだろう?兄上が王になれば、お前は近衛兵士長になれるものな。死ぬまで安泰だ」


 「そんなことはありません。たしかにエドワルド殿下が王になることは、この上ない喜び。ですがその後、私を引き続きお側に置いてくださることはないでしょう」


 「では何だ、今の笑いは」


 クラノスは眉毛を親指で掻き、困った顔をしながら今考えていたことを話した。


 「お二人は良い経験をなされたと思いまして。この場にエドワルド殿下が居ないことが残念で仕方ない。ですが、エドワルド殿下に危険がなかったことに安心もしました。相反する気持ちに少々可笑しくなってしまいまして」


 「何が良い経験だ!死にそうになったんだぞ!」


 「死地からの生還は、必ずや良い経験になる。お二人は強くなりますぞ」


 こう言われたクリスティアンは、みるみる顔が赤くなる。しかし、それはすぐに収まった。


 「もうどうでも良い。どうせ僕は王になれない」


 「何を申されるか、殿下。諦めてはなりません」


 いったいクラノスはどっちの味方なんだと、クリスティアンは笑う。ただ、その笑いは力ない。


 「諦めたくなくとも、兵がいないのさ。16階層には僕の兵の全てがいた。あの調子じゃ全滅だ」


 クリスティアンが集めた兵の全てが16階層にいた。あの後どうなったかを最後まで見ていなくとも、結果はわかりきっていた。

 

 「なんとか押し返したかもしれませんぞ。でなくとも、今すぐ兵を引き連れ戻れば、生き残りはいるでしょう」


 「その兵を持っているのは兄上と、そこにいるイザベラだ。あの状態を見てみろ。到底無理だ」


 クリスティアンがイザベラへと視線を移す。

 イザベラは放心状態だった。ブルリと体を震わせると、またもドレスの股の部分に新しい黄色い染みを広げた。その表情は幸せそうにニヤけていた。

 気が狂った。そうクリスティアンが思っても仕方がない。


 「氷の王……ふふ」


 繰り返し同じことをイザベラは呟いている。

 クリスティアンは、溜息しながら首を横に振った。


 「こんな状態じゃ、兵を引き連れるなど無理だ」


 「代わりにクリスティアン殿下が引き連れたら良いではないですか」


 「イザベラに取り入る馬鹿貴族の息子どもが、対抗する王族に手を貸すと?」


 兵を引き連れてきたのは、ほとんどが貴族の子供だった。彼らにとって、取り入っている王族は神輿そのもの。

 神輿が多少壊れたからと言って、他の神輿を担ぐことはしない。逆に、少し壊れている方が都合が良いとさえ考えるだろう。

 操り人形にするなら壊れている方が良い。


 「貸すのでは?敵を倒すためなら」


 「それが出来ないのが貴族というものさ。こんな姿のイザベラを奴らに見せてみろ。無理矢理に婚姻を結んで自分が王になり変わろうとする。クズどもの集まりだ」


 嫡男ではない貴族の息子は爵位を持てない。なのに数段飛びで王になれるかもしれない。ならば、多少壊れていても妻にしようと考えるのは不思議ではない。

 いや、権力を欲しがるならばそうするべきなのだ。

 だがそれは、魔法都市の王を倒すことが絶対条件ではあるが。

 そう考えて、クリスティアンは思わず笑う。

 絶対条件が、絶対に無理な条件だなと。 

 その様子を見ていたクラノスは何も言わない。励ましはするが、エドワルドを王にすると誓いを立てているクラノスには、もう出来ることはないのだ。

 競い合うものがいなくなるのは、エドワルドの為にならないが、諦めるならば仕方がないと。


 「……とにかく、僕にはもうチャンスなんて――」


 チャンスなんてないんだよ。そう言いかけて、自分が寄りかかっているものを思い出す。

 エドワルドが貸し出した物。

 クリスティアンは勝手に自分の物にしていたが、秘密兵器と言われている箱だ。

 彼はまだ中身を知らない。

 もしかしたらこれが最後の切り札かもしれない、そう思うと中身が気になって仕方ない。

 自分の頭がすっぽりと入ってしまう程の大きさで、厳重に封をされている。

 箱は宝箱のように蝶番があるもので、隙間を蝋で塞いでいた。

 見た目は宝石箱。

 クリスティアンも秘密兵器などと信じてはいないが、この宝石箱にそのままジュエリーが入っているとも思っていなかった。

 ではなんだ?

 そう考えたら居ても立っても居られず、立ち上がってイザベラのテントを見渡す。

 目についたのはレターオープナーだった。

 それを乱暴に掴むと、宝石箱の隙間にある蝋をほじくり出した。


 「クリスティアン殿下、何をしておられるので?」


 「うるさい」


 「……」


 そんなことをする暇があれば、身なりを整えてダンジョンを脱出すべきだろう。諦めたのだからそれが良い。

 クラノスはそう考えていたが、言わなかった。クラノスもまた、箱の中身が気になり始めたのだ。

 そうしている間に宝石箱の蝋は取り除かれていた。

 さて、中身はなんだと箱に手をかける。

 が、直後に轟音。そして、悲鳴。


 「ま、まさか!そんな、まさか!!」


 クリスティアンは慌ててテントから顔を出す。

 11階層は湖である。視界を邪魔する物はなく、対岸までよく視線が通る。

 その対岸に煙が上がっている。

 煙を切り裂くように出てきたのは、黒い外套を着た男。

 魔法都市の王、氷の王。


 「まさか!!こんなに速いわけがない!!」


 「……我々のすぐあとを追いかけて来たようですな」


 クラノスもクリスティアンを追ってテントから顔を出す。額には珍しく汗が滲んでいた。

 黒い外套の男は、まさに無敵だった。

 襲いかかる鈍色の鎧を着た兵士は、瞬く間に倒れ伏す。

 氷の剣を薙ぎ、魔法を飛ばし、体術でねじ伏せる。

 魔法都市の王だけではなく、その護衛も凄まじい戦闘力だった。

 何人もの攻撃をたった一人が防ぎ、何人もを一度に斬り伏せ、何人もを拳で吹き飛ばし、遠くに離れた何人もの肉体を貫いた。

 全員が汗一つかかず、返り血すら服や鎧についていない。

 職人が仕事をしている。そんな風に見えるほど、ただただ作業的に兵士を倒す。

 どのくらい呆然とその戦いを見ていたのか。

 気がつけば、黒い外套の男と仲間の女たちは11階層入り口広場に辿り着いていた。

 クラノスにとって、敵の戦いを呆然と眺めるなど初めての経験だった。暴力に見惚れていたのだ。

 故に、クラノスが我に返る。


 「両殿下!逃げますぞ!!」


 クラノスはクリスティアンの腕を掴む。が、それはすぐに振り払われる。


 「クラノス、お前はイザベラを連れて逃げろ」


 「何を仰るのです!クリスティアン殿下を置いてなど!」


 「ならば、僕の最後の戦いを上層にいく階段から眺めていろ」


 「何を……」


 「あの箱を使う。あれが何なのかわからないけど、もし倒せたら良し。僕が王だ。倒せなかったら……、仕方ない。兄上に譲ることにしよう」


 「クリスティアン殿下……」


 クリスティアンはテントに戻り、箱を抱えるとテントを出る。そのまま魔法都市の王の下へと向かっていった。

 それをクラノスは見守った。そして、イザベラを連れ出そうとテントに戻ると、そこに王女の姿はなかった。

 目を離したのはわずかだった。その隙にイザベラもテントから抜け出していたのだ。

 いったいどこへ行ったのか。慌ててクラノスは見渡す。

 すぐに見つけた。クリスティアンのすぐ後ろに。

 イザベラ王女はふらふらとクリスティアンの後を追いかけていた。


 「イザベラ殿下?!」


 クラノスは追いかけようとし、すぐに思い留まる。

 役目を思い出したのだ。自分はエドワルドを護るために存在していると。

 クラノスは走った。上層へ上る階段へと辿り着き、王子王女の最後を見届けるために振り返って目を凝らす。

 何も見逃さないと。

 クリスティアンは既に魔法都市の王の目の前だった。


 「オーセリアン王国、第三王子クリスティアン!魔法都市の王、あなたを倒す者の名だ!」


 「……」


 ミドルネームもオーセリアンという家名も名乗らないクリスティアンの口上。少しでも自分を覚えてもらうためのファーストネーム。

 対して、黒い外套の男は無表情のまま歩を止めない。口も開かない。

 その態度でクリスティアンは察した。この男は自分の名前を覚える気も、会話をする気もないのだと。それがすぐに無意味になるから。彼の前に立つ者は、等しく物言わぬ死体へと成るから。

 クリスティアンはガタガタと震えた。持つ箱の中身が飛び出すほどの身震い。

 死の宣告。秒読みの確実な死に恐怖した。

 箱を開く予定だった。だが、恐怖への震えで体が思うように動かない。

 そこへイザベラが飛び出す。そして、ヘラヘラと笑いながら立ちふさがる。


 「氷の王様。あなたがいれば私は王国の王になれますわ」


 クリスティアンはイザベラの言葉を聞いて唖然とした。

 何を言っているのか理解できなかった。

 当然、黒い外套の男すら眉根を寄せていた。

 それでもイザベラは続ける。


 「私は王国の美しき王女。あなたと私、魔法都市と王国でこの大陸を統べましょう」


 クリスティアンはこの行動の真意を考える。

 魔法都市の王は絶対の強者。絶対に倒せない。だったら味方にしてしまおう。

 そう企んでいるのだと予想する。

 なんと汚いことか。王国王家の誇りはないのか。あの気が狂ったのも演技だったのか。僕を出し抜くための。そう考えた。

 否。


 「さあ、私を抱きしめなさい。あなたの子を生むわ」


 彼女は壊れていた。

 表情は喜びに溢れ、股から尿を垂れ流して腕を広げていた。

 魔法都市の王を抱きしめるために。


 「……」


 氷の王は何も言わず、イザベラへと近づく。密着すると背中へと手を回した。

 そして、手をイザベラの首へ近づけ、へし折った。

 イザベラは崩れ落ち、そのまま絶命した。

 魔法都市の王は数秒だけイザベラを見つめ、そしてクリスティアンへと視線を移す。


 「頚神経ごとへし折った。痛みもなく逝けただろう」


 優しき処刑。

 皆殺しを誓った男の僅かな同情。

 クリスティアンは妹の死体を見て、何かが切れた。


 「うわぁああああああ!」


 箱を地面に叩きつけように置き、乱暴に開く。

 中身は、生首だった。

 クリスティアンは思わず、素っ頓狂な声を出していた。


 「へ」


 生首は女で、目を見開いていた。表情は怒りと悲しみが混ざっていた。

 首の彼女と目が合う。

 その瞬間、なぜかわからないが、この顔を魔法都市の王にも見せなければと思った。

 クリスティアンは首を優しく掴むと持ち上げて、生首の顔が魔法都市の王に見えるように回す。

 魔法都市の王は不思議な顔をして生首を見ている。

 確かに見ている。生首と視線を交わしている。

 なぜこんなことをしたのか、クリスティアンはわからなかった。

 しかし、異変が起きた。

 しっかりと掴んでいた生首を取り落したのだ。

 不思議に思った。がっしりと両手で掴んでいたのに。

 掴んでいた指を見て、落とした理由を理解した。

 クリスティアンの指が石化していたのだ。

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[一言] ドラえもんのゴルゴンの首を思い出すな
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