光編9
ゴウ「嘘だろ?なんだあれ?」
道路を割き、這い上がろうとするゴーレム。
ヒカル「ゴウ、お前の車貸してくれ。」
ゴウ「どうするつもりだ?」
ヒカル「俺が引き付けるからお前らは病院に戻れ。」
トウヤ「何を言ってる?」
アイ「今なら逃げ切れるかもしれません。先輩も行きましょう?」
ヒカル「ダメだ。あいつはずっと追ってくる。」
ゴウ「じゃあ、倒すか?」
ヒカル「ゴウではあれを倒せない。あれを倒せるのは俺だけだ。」
ゴウ「お前が倒せるなら俺が何とかできるだろ?」
ヒカル「説明している時間はない。」
トウヤ「本当に何とかできるんだな?」
ヒカル「ああ。」
トウヤ「妹が待ってるぞ。もちろん俺達も」
ヒカル「必ず行くから。」
トウヤ「分かった。」
アイ「先輩・・・・、ヒカル死なないで・・・・。」
ヒカル「ありがとう。アイ。」
ゴウと入れ替わり鍵を受け取るとゴウは車を病院に向けて走り出した。
ゴーレムの上半身が道路まで出てくると俺も車を走らせた。
かなりの距離を取れたと思うが、裂け目から這い出ると全速力で俺の方に走ってくる。
一定の距離を取れているが、徐々に距離が狭まってくる。
当てなく車を走らせているのではない。
行くべきところはやはりあそこだろう。
見慣れた道のその先に俺達のキャンパスはあった。
校門で車を降りるとそこには金属バットが転がっていた。
待たせたな。
エックスカリバット。
いくつもの窮地を一緒に切り抜けた俺とあいつの最大にして最強の武器。
・・・・それは言い過ぎか。
校内には多くのゴーレムが残っているようだが、地面に倒れ込みぴくぴくとけいれんしていた。
どうやら世界は集約し始めている。
あいつだけに集中できそうだ。
アオは言うかな。
意味のない戦いに何があるんだい?
きっと何もない。
ただ、そうしたいだけだ。
振動は徐々に近くなり、小さく見えていたものは大きく見え始めた。
バットを構える。
ゴーレムとの対峙。
勝てる訳ないって。
死ぬだけだろ?
今からでも逃げるべきだ。
分かってるさ。
オレ。
あれに一度でも勝てた記憶なんてない。
あいつに会った段階で無残に死ぬ。
そんな記憶しかない。
それでもやるんだ。
ヒカル「さあ、来いよ。」




