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ゴーレム  作者: roshin
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願いの先に編11

 青き夢

 どんなことにも失敗はある。

 成功するために失敗し続ける。

 可能性はゼロではない。

 願いはたった一つ。

 あいつの驚く顔が見たいだけだ。

 今もこんなことはしたくないと心を削り続けている。

 始まらない現実を見続けている。


 ヒカルは病院の自室でベットに横たわりながら窓の外を見上げる。

 もう既に月が出ていて夜風が心地いい。

 明日は製薬会社に行くことをアイに伝えている。

 前回と同じなら今日は幽霊が来る。

 夜中にドアをノックする幽霊。

 害はない。

 ただ行動が変わっているから来ないかもしれないが・・・・。

 興味本位で見てみたいと思う自分もいる。

 だから気長に待っている。

 ポケットから石を取り出し月明かりにかざす。

 青い透明度の高い石は月光を取り込むと幻想的な輝きを見せる。

 淡い優しい輝きは俺の心を穏やかにさせた。

 しばらく待ってみたはものの幽霊は来なかった。

 トイレに行って寝よう。

 ベットから起き上がりトイレに向かう。

 ドアを開けると目の前に人影があった。

 俺は声も出すことができず後ろに下がる。

 ???「きゃ!」

 幽霊にしてはかわいい声をしてやがる。

 心を落ち着かせ暗がりに目を凝らすとそこにはナツミがいた。

 ナツミ「ごめんなさい。」

 頭を深々と下げ、長い髪が舞う。

 ヒカル「びっくりした。どうしたの?」

 過剰に驚いてしまった自分を隠しつつ、大人な対応を心がける。

 ナツミ「あの・・・・。」

 ヒカル「ん?」

 ナツミ「その・・・・。」

 何か悩んでいるようだ。

 気丈にふるまっているナツミはどこか年齢を高く見せるが右往左往しているナツミはいつもより子供っぽく見えた。

 ヒカル「ちょっと話そうか。」

 ナツミ「はい!」

 たわいない話で緊張がほぐれるといつもナツミに戻った。

 ナツミ「お兄ちゃんから聞いたんですけど製薬会社からヒカルさんがしばらくかえって来れなくなるかもって言ってたんですけど本当ですか?」

 それは正直分からない。

 コンノ支社長と握手をした瞬間、意識が無くなる。

 目覚めるのは1か月後。

 前回は確かにそうだった。

 でも今回もそうなるとは分からない。

 ヒカル「本当かな。みんなあそこに避難できるように話をしてみるよ。」

 ナツミ「ヒカルさんはやっぱりすごいです。」

 ヒカル「そんなことないよ。」

 ナツミ「そんなことあります。初めて会った時の事を覚えていますか?」

 ヒカル「ライカに無理やり連れてこられて困っていたね。」

 ナツミ「そんなことないですよ。ただあの時は怖かったです。」

 ヒカル「え?俺そんなに人相悪かった?」

 ナツミ「違いますよ。」

 ナツミが微笑む。

 ナツミ「忘れられるから。最初はみんな覚えていてくれる。でも時間が経てば経つほど私の周りには誰もいなくなる。でもヒカルさんはずっと一緒にいてくれたからそんな事はないって思えるようになったのかもしれません。」

 ナツミは顔を伏せた。

 ナツミ「ごめんなさい。こんな話をしようとしたんじゃなくて・・・・。」

 何かを伝えようとしているナツミがとにかく愛おしい。

 ヒカル「全部終わったら君に言いたい事があるんだ。」

 ナツミ「なんですか?」

 ヒカル「秘密。」

 ナツミ「教えて下さいよ。」

 ヒカル「さあ、もう寝よう。」

 ナツミを病室まで送る。

 ナツミが最後まで聞き続けたが教える事はなかった。


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