願いの先に編3
キョウジマ署長「あなたは?」
ヒカル「イシガミといいます。大学生です。」
キョウジマ署長「そうですか。私の息子も近くの大学の学生なんですよ。」
ヒカル「名前は何というですか?」
キョウジマ署長「キョウジマトウヤと言います。私に似て頑固で偏屈なんですよ。」
トウヤの親父さんなのか・・・・。
キョウジマ署長「家族を守る父親として家に帰りたいと思う反面、私にはこの町を守る役目がありますから、今もここにいて対策を立てている所にあなたがいらっしゃったんですよ。」
ヒカル「俺はそんなたいそうなものではないですが・・・・。」
キョウジマ署長「謙遜なさらずに、それで石付き病の人を無力化する方法とは?」
ヒカル「これを見て下さい。」
俺は自分のカメラをキョウジマ署長に渡す。
それから今まで見てきたゴーレムの特徴を話した。
・・・・。
キョウジマ署長「なるほど。この石の様なものが弱点であると言うわけですね。」
ヒカル「はい。私はイシダ病院にいます。何かあったら来てください。」
キョウジマ署長「分かりました。」
トウヤとナツミの事を言うべきだろうか?
建物が揺れる。
地震か?
署長室の机にあった写真立てが転げ落ちる。
そこには古ぼけた写真が入っていた。
笑顔の父と母、そしてはしゃいでいる兄妹が写っている。
そこには確かな幸せがあった。
キョウジマ署長は写真立てを拾い上げると机の上に戻す。
ヒカル「・・・・あの。」
キョウジマ署長「どうかされましたか?」
ヒカル「トウヤとナツミちゃんは今イシダ病院にいます。」
キョウジマ署長「トウヤとナツミの知り合いだったんですか?」
ヒカル「はい。1年の時からの付き合いです。」
キョウジマ署長「そうでしたか、トウヤとナツミを頼みますね。」
ヒカル「会わなくていいんですか?」
キョウジマ署長「・・・・私にはこの町を守る義務がある。それにトウヤはもう立派に育った自分の意思で生きていける。」
ヒカル「ではナツミちゃんは?」
キョウジマ署長「ナツミはトウヤがどんな事があっても守るでしょう。だから私はこの町を守る。それにトウヤは私には会いたくないと思っているでしょう。」
俺はゴーレムが学校に出現した時の事を思い出した。
トウヤは最初に警察署に行こうと言っていたのは父親に会うためだったのではないか?
だとしたらもう二人にはわだかまりなんてないのではないだろうか?
二人に何があったのかは俺には分からないけど上手くいってほしいと思う。
ヒカル「いつでも来てください。きっと待ってると思います。」
キョウジマ署長は社交辞令と捉えたのかかすかに笑った。
・・・・。
俺は警察署を出て店長の乗っている車に戻った。
ヒカル「店長ありがとうございます。」
店長「いいんだよ。さて行こうか。」
車は店長の家に向けて走り出した。




