病院編6
507号室の壁の前にバットを置くとトウヤも同じように並べた。
それからドアを開く。
ナツミがベッドに座りながら夕日を眺めている。
単純に綺麗だと思う。
言葉はそれしか思いつかない。
写真を撮るすれば夕日を眺める美少女というタイトル。
腕がいまいちな俺でも何かの賞が取れてしまいそうだ。
病気でなければ俺はナツミと親しくなれなかっただろう。
後頭部に衝撃が走る。
ヒカル「いて!」
トウヤ「何を見つめてるんだ?」
ヒカル「別に・・・・。」
俺達に気づいたナツミは笑みを浮かべる。
ナツミ「ああ、ヒカルさんとお兄ちゃん、それから・・・・。」
ナツミは顔を思い出そうとしているが、初めて会う人なので分からないだろう。
ヒカル「サークルの新部員だよ。」
ナツミ「初めましてキョウジマナツミです。」
アイ「初めましてコンノアイと言います。キョウジマさんも大学生ですか?」
ナツミ「私は高校も途中から行けていないので大学生ではないです。」
アイ「そうだったんですか。ごめんなさい。」
ナツミ「いえいえ、でも18歳なので同い年ですか?」
アイ「同い年ですね。」
ナツミ「ハナちゃん以外の同い年の人と話すのは久しぶりなので嬉しいです。」
アイ「私もこっちに来たばっかりで友達らしい友達がいなかったので話せてうれしいです。」
それからしばらく女子トークが繰り広げられていたので俺とトウヤは病室を出た。
バットを回収し医院長の元に行く。
ヒカル「すいません。キョウジマさんの薬はありますか?」
医院長「どうかされたんですか?」
ヒカル「いえ、石付き病の件もあるので薬は大丈夫なのかと思いまして。」
医院長は看護婦を呼ぶと薬の状況を把握した。
医院長「薬はA棟にありますが石付き病の方が多くいる為、取りに行くことが出来ません。」
トウヤ「そんな!じゃあ、俺が行きます。何階のどの部屋ですか?」
医院長「四階の階段を下りてすぐの薬品管理室にありますが・・・・。」
しばらく委員長は考えるとカードを差し出した。
医院長「電子ロックの解除キーです。これでB棟からA棟に行くことができます。」
トウヤ「ありがとうございます。」
医院長は看護婦に指示をして薬品名や場所の書かれたメモをトウヤに渡す。
それを受け取り俺達は連絡路の方に向かった。
トウヤは俺に何か言いたげだが口に出さない。
ヒカル「トウヤどうしたんだ?」
トウヤ「なあ、ヒカル、お前、予知夢でも見たのか?」
俺はトウヤに本当の事を言うべきだろうか?




