スーパーマーケット編9
警察署の駐車場には1台の車も止まっていなかった。
車を降りて正面入り口に向かう。
しかし、入り口や窓はテロ対策なのかシャッターの様なものが下ろされており、中に入る事ができなかった。
監視カメラの様なものがあり、手を振り大声で叫んでみる。
ヒカル「すいません。開けて下さい。」
しかし、反応はない。
シャッターを外側から叩くとむなしい音が響く。
ゴウ「すいません。誰かいませんか?」
ゴウも同じように叩く。
すると監視カメラの様なものから音声が聞こえた。
監視カメラ「防護壁を叩かないでください。」
ヒカル「すいません。」
俺とゴウは叩くのをやめる。
監視カメラ「自宅及び避難所において待機命令が出ているはずです。速やかにお引き取り下さい。」
ゴウ「ふざけるな!いいから開けろ!」
ヒカル「やめろ!ゴウ!」
ゴウを制止する。
ヒカル「石付き病について情報があります。」
監視カメラ「どのような情報ですか?」
ヒカル「開けて頂いたらお話します。」
監視カメラ「でしたらお引き取り下さい。」
ヒカル「石付き病の方を無力化できる方法です。」
しばらくの沈黙。
監視カメラ「少々お待ちください。上の者と相談します。」
さらにしばらく時間が過ぎた。
監視カメラ「何か証拠となるものはありますか?」
ヒカル「あります。ただし、お伝えする代わりに要求があります。」
監視カメラ「そちらの要求は何ですか?」
ヒカル「警察署への避難です。」
また長い静寂が続くと音声が切り替わった。
監視カメラ「分かりました1名だけ入る事を許可します。他の方は車まで戻って下さい。」
ヒカル「感謝します。」
俺はカメラをアイに渡す。
ヒカル「アイさんこれを警察に見せてほしい。それから今まで見てきたゴーレムの弱点や特徴を伝えてほしい。」
アイ「そんな。先輩たちはどうするんですか?」
ヒカル「俺はトウヤとの約束があるからどのみちいけない。」
ゴウ「俺もイシダ病院には行こうと思ってたから。」
ヒカル「ライカの所か?」
ゴウ「ああ。」
店長「え?何?ゴウ君の彼女かい?」
ゴウ「俺達はもう、そんなんじゃありません。」
妙な間が生まれたので話題を元に戻す。
ヒカル「店長は避難しなくて大丈夫ですか?」
店長「家族を置いて僕だけ避難なんてありえないよ。僕は自宅に帰る。」
ヒカル「だってさ。ほら行ってきな。」
アイは深く頭を下げる。
俺達は車の方へ歩く。
振り向くと悲しげな顔でこちらを見ていた。
笑顔で手を振る。
アイもそれに応じて手を振る。
車に乗り込むとシャッターが開き始めた。
シャッターが半分ほど開くとアイは屈むようにして入る。
そしてこちらを振り返ると何か言っているようだったが聞こえなかった。
アイが中に入りきると容赦なくシャッターは閉じていった。
ここからイシダ病院までは遠くない距離にある。
車はイシダ病院に向けて進み始めた。
辺りにはゴーレムも人も見ない。
数分でイシダ病院に着く。
いつも開いているはずの病院の門が閉じていた。
トウヤの妹やライカは無事だろうか?




