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第4話 いきなり戦闘! 魔法ってどう使うの!?

いきなり言葉の問題に直面したので『言語翻訳』を取得したことに全体を修正します。

 僕は丸太小屋の中で倒れていた。

 開けた扉の上から突っ込まれた槍を見ている。

----------------------------------------

【錆びた鉄の槍】☆

攻撃力:30 リーチ:長

詳細……柄は木製で穂先が鉄。軽くて取り回しが利きやすい。しかし錆びているため攻撃力が下がっている。

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 心臓がドキドキ鳴っていた。

 何が起こったのかわからない……!


 敵!? 魔物!?

 ま、魔法で倒さないと!


「え、でも! 次元魔法って、どうやれば……っ」

 やばい、魔法の使い方がわからない!

 

 魔法の説明を思い出す。イメージが大切と。

 とりあえず眼に集中してみた。

 外の様子を知りたい。できるはずっ!



 小屋の壁が近付いて来るがそこで止まる。

 どうやらこの小屋は魔法的な物でできていて魔法を受け付けないらしい。

 そりゃ、転生用の建物なんだから当然か。



 10センチほど開いた扉の隙間に集中する。

 目がカタツムリのように、にゅーっと伸びていくイメージをする。


 ぐぐっ、と視界が開けた。

 明るい青空、白い雲。緑の森。


 小屋の周りが見て取れる。

 どうやら深い森の中にある、小さな広場の小屋にいるらしかった。


 子供の背丈ぐらいの醜い鬼が5匹、小屋を取り囲んでいた。

 何か言っている。

「これ、なに!?」「なか、いる!」「ニンゲン!」「ころす、くう!」



 バクバク鳴る心臓を押さえつつ、真理眼で見る。

 ゴブリンだった。


 屋根には2匹のって、1匹が扉の上にいて槍で突いていた。

 もう1匹は屋根の上でうろうろしている。

 下に3匹。

 どうやら森の中を徘徊中、突然小屋が現れたため気になって調べているらしかった。



 ――あっぶねー!

 『危険感知』取ってなかったら、異世界転生した瞬間即死してたじゃないか!


 いやいや、こんなの今まで読んだ転生小説でもないよ!

 開始5分で終わる異世界転生小説とか面白すぎ。

 全然笑えないけど!


 現実ってほんとシビアだわ。



 そんなこと考えたら、少し心が落ち着いた。

 とにかくゴブリン倒さないと。

 この小屋は扉開けてから30分で消えるって書いてあったし。



 それにしても次元魔法。

 空間をずらして切断なんてこともできるんじゃないか?

 次元斬! って感じで。


 僕は扉の上にいるゴブリンを小屋の中から指差す。

 外から見てるイメージも眼に入ってきてるので、視界が妙だけどやるしかない。


 ……ゴブリンの全身がすっぽり入る立方体を想像、それが真っ二つになってズレるイメージ。


「いけっ!」


 ザンッ!


「ピギィッ!」

 ゴブリンが頭から真っ二つになって地に落ちた。


 ――よしっ! いける!



 残りのゴブリンたちが慌て出す。

 次は屋根の上にいる、一回り大きなゴブリン。大きな斧を持っていて、肌の色が浅黒い。

----------------------------------------

名前:ゴボット【☆☆】

種族:ホブゴブリン

性別:男

年齢:12

職業:小グループ・リーダー

天恵:高飛び

技能:斧術Lv2 真空跳び膝蹴りLv3

状態:脱水

HP:300 MP:15


詳細……討伐証明部位、両耳。

ゴブリンの中からたまに生まれる屈強なゴブリン。

大剣や大斧を振り回せるほどに力が強い。

----------------------------------------

 なるほど、とび蹴りが得意だから屋根に上っているのか。いつでも狙えるように。

 しかもLv3ってことはベテランか。とび蹴りのベテラン。


 あの時、小屋の中じゃなく外に飛び出してたら今頃死んでたね。

 2段構えの攻撃だったのか。危なかった。


 

 ともあれ、空間をずらす狙いをつけて……。

「えい!」


 ――ザンッ!


「ガァッ!」

 頭から真っ二つを狙ったけれど、ぎりで避けられた。

 でも肩から腰にかけて真っ二つになって絶命した。

 三角屋根に倒れこみ、どす黒い血が流れ落ちる。



 小屋の周りにいた3匹のゴブリンたちが騒ぐ。

「なに!」「なんだ!」「てき、みえない!」


 ゴブリンたちは小屋の入口右側で横一列の密集形態を取った。

 ナイフや盾を構えている。


 何か強くなった気がしたので真理眼で見た。

 すると密集形態の補正効果が発生していた。

 防御力が少し上昇している。


 防具ごと切れるだろうか?



 ――いや、待てよ。

 僕は視界を彼らの後ろに回した。

 無防備な背中が三つ並んでいる。


 三匹入る立方体を、胴の辺りで横一線に切るイメージ。

 

「次元斬!」


 ズァァンッ!


「ひぎゃ!」「ピギィ!」「ギャア!」

 ゴブリンたちは一度に切られて崩れ落ちた。

 真理眼で見ると絶命していた。



 初勝利を味わう前に、もう一度視線を飛ばした。

 小屋の周囲、そして森の中も索敵。

 魔物はいない。


 でも、森が深い。どこまでいっても森、森。

 めっちゃ魔物がいそう。

 人間の村や町はないの!?


 このままにしておいたらまた魔物が血の匂いでやってくるかも。

 ゴブリンの死体を集めて穴を掘って埋めないと。



「でも、穴を掘るにも道具が……あ」

 

 次元魔法で掘れるかな?



 小屋の外に出て扉を閉めると、半透明になって消えた。

 屋根に乗っていたホブゴブリンの死体も落ちてくる。


 小屋のあった場所は平地で土が見えている。

 へこませるイメージで地面を指差して「ハァッ!」と気合を入れたが発動しない。


 たぶん、イメージの仕方が間違ってる。



 空間を切ってつなぐ。

 だから、地面をくりぬくように空間を立方体に切り取る。

 切り取った土を別の場所に運んで空間を解除する。

 そんな風にイメージにしてみた。


「えいっ!」

 今度はボコッと音を立てて地面が凹んだ。

 そこにあった土は数メートル先で山となる。


 うまくいった。



 ゴブリンたちの死体も、次元魔法で次々に移動させる。

 空間ごと切り取って、穴へ置いて解除するイメージ。


 ……これ、自分に使ったらテレポートになるんじゃ?

 試しに広場の端へ10メートルほど移動してみる。


 見ている景色が一瞬にして変わる。

 あっという間に移動できた。

 次元魔法すごい。



 それから土で埋める前に、ゴブリンたちの持ち物をチェックした。

 錆びた鉄の槍が2本、錆びた銅のナイフが2本、木のバックラー3枚。


 鋼の大斧が1本。☆☆のレアっぽい武器。

 これはホブゴブリンが持ってたやつで、攻撃力160もある強そうな斧だった。

 振ってみたけど、バランスを崩してしまう。

 僕では扱えなかった。そもそも武術系スキルが1つもないし。



 鎧は次元魔法で切ったため、ゴミにしかならなかった。

 次からは売れそうな鎧だったら、倒し方考えないと。


 一匹が麻の袋を持っていたので貰っておく。干からびた肉や木の実が入っていた。

----------------------------------------

【ゴブリン製干した人肉】☆☆

 魔物にとって高級食材。46歳農夫マティフさんの肉。


【ユビックの実】☆

 栄養豊富だが大量に食べるとお腹を壊す。灰汁抜き必須。砕いて煮詰めると痺れ毒になる。ハイヒールポーションやエクスキュアポーションの原料の一つ。

----------------------------------------


 ……マティフさん、成仏してください。

 干し肉は少し離れた場所に穴を掘って埋めた。スミレのような花を供えておく。



 ――ていうか。

 この世界、薄々気がついてたけど、かなりハードモードな予感がする。

 あ~、やだやだ。楽して生きたい。


 ほのぼのスローライフを送れる異世界がいいのになぁ。

 なんでこんな世界を、ってそうだった。この世界しか選べなかったんだっけか。

 まあ、しょうがない。頑張るしかない。

 どんな世界にだって楽して生きる方法はあるはずだから。



 袋にいっぱいのユビックの実はいろいろと使えるみたいなので、もらっておくことに。少量なら食べても良さそうだし、食料の無い今は重要かも。


 ホブゴブリンが、銀貨2枚と銅貨8枚を持っていた。

 どれぐらいの価値があるんだろ。どこかで貨幣と物価を調べないと。

 ――そもそも十キロ四方に町がないけど。


 あとはゴブリンの耳を切り取ると、死体は土を被せて埋めた。

 ゴブリンは討伐証明部位が耳だった。

 グロいけれど、この世界で冒険者として生きていくのだからと、気合を入れて次元魔法で切り取った。



 とりあえず、急ぐ仕事は終了。

 森に囲まれた広場の中、岩に腰掛けて一息ついた。ずっと神経が高ぶっていた。

 お茶か珈琲が飲みたい。


 でもまだやることがあった。

 岩の傍らには耳や武器、貨幣と木の実が置いてある。



 さて。

 ゴブリンの遺品、肩から背負うタイプのボロ袋を、マジックバッグにする!


 どうイメージするかが問題だった。

修正するので更新は明日。

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