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  作者: 降川 昇山
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鳥は羽ばたいていった。

校門から正面に見える校舎に貼られた垂れ幕。強風に煽られて鳥の羽のようにバサバサと揺れる薄汚れたそれには、男子バスケットボール部全国大会出場と女子弓道部関東大会出場という太い文字が淡々と書かれている。

僕は何もしていない。同じ舞台どころか始めてすらいない。なのに、ひりひりと痛む焦りと狂いそうな嫉妬を感じた。


僕と彼らの時間の価値はどれほど違うのだろうか?


学生は結果を残していなくとも皆、平等な行動を与えられる。

外に出れば、このままの何も持たない僕なんてどこにも居場所はないだろう。長い人生で、学校を中心に世界が回るのは少しだけ。

あのときの僕はその事を信じなかった。苦しそうだと部活を避けて心が痛むと人間関係を遮断して、面倒な行事は他人に押し付けて上手く生きていると思っていた。現状は変化しないと見ることを止めた。


ずっと経って気づいた。でも、変える方法も知らず自分の中で劣等感だけを燻らせる。努力をせず、遥か彼方にある夢を描く。行動は起こさない。


存分に笑ってくれ、僕は嵐に全てを潰された。





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