プロローグ
「ようこそ、いらっしゃいました、我がみさき列車へ──遅れました、私車掌の美咲火花と申します」
ぼくは気づいたらそのれっしゃにのっていた、いつのったのたか、いつ駅に行ったのかも覚えていない。
「ふふ、どうやらお客様は何故こちらの列車におられるかがお分かりになられないようでございますね、説明致しましょう!この列車《みさき列車》は終点はございません、あるとすれば──いえ、これは後ほど。どこへ向かうか、ですね。それはあなた様の縁のある場所が多いと思われます。その理由?後ほどわかりますよ、ふふふ。」
その車掌──火花はこう続けた
「さて、気になる終点がない理由でございましたね。それは───」
──────それから7年後
「こらー!ユカリ!早く起きなさい!学校に遅れるわよ!?」
「ん…」
なにやら騒いでいる人影がいた。母だ、私を起こしに来てくれたんだろう。
「ほら!はやく支度しなさいよ、ご飯もできてるから!」
「はーい…」
私は体を起こし背伸びをした、外は最高に晴れている。
私の名前は川崎ユカリ 今年で高校2年生。
趣味はこれと言ってない、好きなことといえば乗り物にのることだ。(主に自転車とか電車とかで外に風景見たりとか?)
「ふぁ~…さてと着替えて下降りないと」
──リビング
「……まのところ、理由はわかっておらず、意識不明の重体のようです」
テレビの音声だ。
「最近多いわねえ…寝たまま起きない事件」
そう、今のニュースだ。
よくはわからないが、前日までは元気でいた人間が翌朝になると一切起きることがなく、かと言って死んでいるわけではない。まさに寝たきりとやらだ。
警察は《寝たきり事件》とセンスのない名前で捜査してるらしいが、今のところ何も見つかっていないそうだ。
「あんたも気をつけなさいよ、ユカリ?あんた、いっつも寝てるんだから」
「や、やだなぁ、お母さん…私はちゃーんといつも元気に遊んでるよ、寝たりしてないもん」
「ならいいんだけどねえ?」
母はクスリ、と微笑んだ。
「あ、そろそろ行かないと…じゃ、お母さん!行ってきます!」
「はい、気をつけるのよ!」
────所代わり、ある場所では
「さァて…今回の客はどんなやつなんだろうなぁ?前みたいに試験落っこちて、永遠におさらばー!みたいなことになんなきゃ、いいけどなぁ。」
声の主は持っていた、写真を見ると
「アンタはどうだ、川崎ユカリサン?」
とほくそ笑みながら呟いた。
────続く。