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エピローグ

 また気づくと眠ってしまっていた。

 トミーとのやり取りを証明するものは、今度も何ひとつ残されていない。すべてアタシの妄想と言われても、仕方ない部分もある。

 だが寝覚めは爽やかだった。これで問題がぜんぶ片づいたらいいなと思った。これもまだ確定ではないが。


 とりあえずオハラ神父に報告しに行った。

 夢の中でのアタシの武勇伝を聞かされてもリアクションに困るだろうけど、少なくとも、アタシにとってはただの夢ではない。っていうか、伝えたくて仕方ない。

「これは、シスター・ロバート。例の夢の件は、どうなりましたか」

「それがですね、とても痛快なんです」

 神父がウェルカムな感じで聞いてくれたのをいいことに、アタシは機関銃のように喋りまくってしまった。

「なるほど。……シスター・パトリックにはあの日私から、あなたの夢のことを伝えました。公平に漏らしたというよりも、おなじ境遇のかた同士で話されたほうが、いいと考えまして」

「まさに、そのお陰です。もしシスター・パトリックが訪ねてくださらなければ、私は例の、もう一人の悪魔を指名することはできなかったのですから」


 神父が紅茶をひとくち口に含み、そして言った。

「それにしても不思議な話ですなあ。夢のなかの悪魔たちが、ふたり揃って名を名乗るなんて」

「タイミングも」とアタシ。「成り行きも、すべてが気味悪いくらいに一致していると言いますか……」

「神のご加護でしょうか」

「あるいは試練かも」

「あなたは、」と神父は言った。「その試練を乗り越えられた」

「どうでしょう……そう願います」


「付き合ってください」

「は?」

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