出会い
僕はビックリして2・3歩後ずさり
そして周囲を見渡す。
…誰もいない。
それはそうだろう。
僕は一人で歩いていたのだから。
そして今、気が付いた。
考え事をしていたからか
普段と道が違う。
いつもは曲がる所を
真っ直ぐ歩いてきてしまっている。
―怖くなってきた。
だって僕は今一人のハズ。
もし、もしも…いや……きっと…
そ、空耳…空耳だ!幽霊とかそういう…
「ごめんごめん。
ビックリさせちゃったみたいだね。」
!…また聞こえた。
でも、今度は木の後ろから人が現れた。
ブレザーを着た男の子だ。
歳は僕と同じくらいだろうか。
髪は亜麻色で少し長め
色白で整った顔立ちだった。
「君は…誰?」
僕にはこの質問が精一杯だった。
まず、僕の学校の制服は学ランなので
この人は同じ学校ではない事がわかった。
そして、この道。
ここは元々工場地帯で住宅が少ない。
僕の家は、工場の跡地に五年前建った
一戸建てで、校区の一番端っこなのだ。
ちなみに、周りに住んでいる子供は
僕以外みんな幼稚園児だ。
だから歳が同じくらいの
違う制服を着た学生が
ここにいるのが不思議な事で
沢山質問がありすぎたので
この一つにまとめてみたのだ。
ブレザーを着た男の子は
僕の質問に笑顔で答えた。
「ボクは晴輝。木下晴輝。
ハルって呼んでね。宜しく!」
得られた情報が少なかった。
これじゃ名前しかわからない。
とりあえず僕から情報を聞き出す事にした。
「僕は安倍明といいます。今度高1です。
ハルさんはおいくつですか?」
「ボクもアキラと同い年だよ。だから
さん付けと敬語は止めてよ。」
―やっぱり歳は同じだったんだ。
「うん、わかった。
…僕、弥生中学だったんだけど
ハルはどこの中学なの?」
「ボクは…隣り町の桜中学だよ。」
「ふうん。そうなんだ。」
と返事をしながら少し考えていた。
桜中学ってブレザーだったんだとか
隣り町の子がなんで
こんな所にいるのかとか
そうしたら今度はハルが質問してきた。




