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水泳の結果は一目瞭然だった。
「第一位、フランシスカ・リガンテ・ヨシノ選手! 所属はレイザリー王国!」
司会のセリフとともに会場に拍手が沸き起こる。それを受け止めるかのようにフランシスカは一礼する。
「第二位、ロズベルグ・アーケンド・リボルティー! 所属はシャルーニュ公国!」
次に第二位の名前が呼ばれ、その後拍手が沸き起こる。そしてさっきフランシスカが行ったようにロゼも一礼する。
「第三位、アリア・カーネギー! 所属は……」
フランシスカは表彰台に立ち、金色のメダル、所詮こんなのは金メッキであしらわれた銀メダルだったりするのだが、を受け取っている最中も考え事をしていた。同時に二つのことを出来るとはなんと器用な人間であるか。
「……フランシスカ」
「……、」
「フランシスカ」
「……、」
「フランシスカ!」
「う、うわっ!」
サリドから呼ばれようやくフランシスカは我に返った。
「いったいどうしたってんだい? ずっと考え込んじゃって。体調でも悪い?」
「……いや、大丈夫。問題ない」
フランシスカは何処かのゲームキャラが口にしそうな言葉を言って、ゆっくりと歩いていった。