表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FORSE  作者: 巫 夏希
『人は何故平等を嫌う?』――リフディラ反乱軍弾圧戦
59/207

14

その頃。


リーフガットは漸く片付け等から解放され、久々の睡眠を取っていた。


もはや戦いはないだろうという判断の上でのことだが、警備のため数名の人間は起こしてはいるものの。


夜も更け、生きとし生ける物全てが寝静まった頃のことだった。


虚空に乾いた銃声が響いた。


リーフガットはそれに気づき急いで立ち上がり、外に出た。


廊下を駆け足で歩くと、慌てた顔で部下と思しき軍人が出てきた。


「上官! お目覚めですか!」


「御託はいい!! いったいどうしたんだ?!」


「西南の方角から発砲! ライフルと思われます! 数はおよそ10~20!」


その軍人は端的に敵の情報を告げる。


「ここにいる全員を叩き起こせ! ライフル班と光学兵器班を攻撃に回せ!」


リーフガットの命令に、軍人は即座に敬礼をした。


リーフガットはその軍人に命令をしてから自分の部屋には戻らずその廊下の突き当たりにある部屋へと向かった。


扉を開けるとすでに命令がされていたかのように、机にここ周辺の地図が置かれていたり必要となるレーダー等が駆動していた。


「ご苦労。ライズウェルト・ホークキャノン凖尉」


リーフガットは部屋に入るや否や直ぐに傍の計器を見つめている女性に謝罪の意を表する。


「別に問題ないですよ。リーフガットさん」


「……私を本名で呼ぶのは家族以外にあの問題児どもとあんただけだ」


リーフガットはため息をついて忌々しげに呟く。


しかし、当の本人、ライズウェルトは曇りない笑顔で、


「あんた何してんの? 指揮官なんだから指揮しなさいよ」


「あ、あぁ……」


こういうのが昔から嫌いだったが、今の関係を維持出来ているのはリーフガットの堅実かつ峻厳な性格とライズウェルトの温厚な性格に衝突がなかったことも言えるのだろう。彼女が果たして温厚と呼べるのか、そうには思えないが一番そう形容すべきとリーフガットが判断を降したためであったりするのだが。


「……状況は?」


「芳しくないね。西南に17の生体反応。その何れもがグラディア軍の通信機のチャンネルに設定してある」


「……軍の、リフディラ軍の、クーデター?」


「そうは考えられない。第一、もしクーデターならばもっとたくさんの人員と武器がきてるはず。なのに彼らは少数で行動してるし武器はライフル一択みたいだし。たぶんレジスタンスによるものが正しいかな」


「やっとお出ましってわけね」


リーフガットは、怪しげに笑った。


「さぁ……。レジスタンスとやらの実力、見せてもらおうじゃないの」


リーフガットは笑みを崩さずに管制レーダーを見て呟いた。


それを見たライズウェルトはほくそ笑んで、レーダーに視線を注ぎ、


「久しぶりに見たわね。あなたのそんな熱い顔」


リーフガットにぽつりと、聞こえるか聞こえないか微妙なくらい小さな声で呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ