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そのころヒュロルフタームの猛攻が地上にて続いていた。
「おのれぇ……!! どいつもこいつも私の邪魔をしおって!!」
「如何なさいますか?」
コックピットには一人の少女が座っていた。
お姫様――レイザリー王国に所属するヒュロルフターム・パイロット――と同じくらいの背格好、まるでまな板のような胸まで同じときた。まるで双子のように。
その少女は機械のように、抑揚のない声で今一度尋ねる。
「如何なさいますか?」
「そうだな」ヴァリヤーは暫く考え、「まずは国の施設を破壊していくとしよう。そして……あわよくば『あれ』の回収を行いたい。それが出来ねばそれすらも破壊せねばならなくなるな」
淡々と語った。
そのころ、ショッピングモールから脱出したサリドとグラムは螺旋状の階段をひたすら昇っていた。
「……まさか非常用電源になっていたとは。エレベーターも動かないわけだぜ」
「地下だから無線も通じないしな」
グラムとサリドがそれぞれ言った。
「しかしいったい誰が? まさか社会連盟と手を組んでレイザリーを潰す気か?」
「実は世界滅亡が目的だったりして……まさかそりゃねーか」
グラムはグラムで自己完結した。
「とりあえず気を抜けねーな。まだ姿貌がわからねーんだ。どういう戦いになるかもさっぱりわかんねーぞ」
「そうだね。それにどうやってレイザリーの中心まで来れたのかな……? それも聞いておきたいけど」
「まぁ。行こうぜ。くそったれを潰す戦いの地に、な」
グラムはそう言って壁にあった非常用シャッターのボタンを押した。