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本国に帰って表敬が終わったサリドたちには一週間の休暇が設けられた。
「サリド、聞いたか? 俺たち一週間休みだとよ!」と、スイッチをオンオフしながら、グラム。
「そうか。でもその感じじゃ一週間過ぎるとまた戦場に駆り出されるっぽいな」と、なにか壊れた機械をドライバーやらはんだごてを使って直しながら、サリド。
「というか……、お前は何をしているんだ? さっきから中毒のありそうな匂い吹き出して」
「!! まさかこの人ははんだの危険さを知らない?! はんだというのは体内に入ったら出されずに蓄積されていくものなんですよ?!」
「えっ、まじで……。でもサリド、お前は大丈夫そうじゃん」
「俺は透明なマスクつけてっからいーの。意外とこういうのは常識だぜ?」
サリドはそう言って、また作業に戻った。
そんなこんなで休日一日目を迎えたサリドとグラムである。
「なあ、サリド。毎日ヒュロルフタームの勉強したいのはわかるが、今日くらい遊びに行かねぇか?」
グラムが、そんな提案をしてきた。
サリドは暫く黙っていたのだが、
「……そうだな、それもいい」
ようやくサリドはOKサインを出した。