表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FORSE  作者: 巫 夏希
『蝶のように舞い蜂のように刺す』――プログライト戦争
26/207

12

「「行くぞっ!!」」


二人は叫んで、その“魔神”に突っ込んでいく。


まず、二人は小型の銃を取り出しそれを魔神に向けて撃ち放った。


ズドン!! と何らかの衝撃で車のバンパーがへこんだような音を立てる。


しかし、それはびくともしなかった。


「ならばこれなら……!!」


そう言ってサリドは手榴弾の安全装置を引き抜きそれに向かって投げ棄てた。


「……っておい!! こんな狭い空間で手榴弾なんか爆発させたら俺たちまで被害を被るぞ?!」


グラムが手榴弾を投げる前にそんなことを言っていたような気もしたが、それは完全に無視をした。



刹那。


目映い光とともにサリドたちは後ろへと衝撃で押された。


「いたた……」


サリドは目を覚ました。


グラムたちも気を失ってはいないものの、倒れていた。


「メタモル……フォーズは?」


サリドは立ち上がり、あたりを見渡した。


まわりは、手榴弾の爆撃によってもたらされた土煙で視界を遮られていた。


ポタリ。


どこからか地下水かなにかの雫が落ちたような、そんな音がした。


そう遠くない距離と判断して、サリドはその雫が落ちるほうへ向かった。


そこまでいって、サリドはふと思った。



『ここはヒュロルフタームの戦いが見れるほどの高さなのになぜ水の雫が落ちているのか』ということに気がついたのだ。



「……なんで雫が……?」


その答えは、直ぐそばにあった。


そこにいたのは。


傷を負って、そこから大量に血が出ているニンジャと、


それに押さえ込められているメタモルフォーズの姿があった。


「おい!!」


サリドの声にニンジャは気付いたのか、傷付いて血にまみれた顔で笑った。


それは太陽が輝く畑で育てられた一本のひまわりのように。


無垢な、表情。


メタモルフォーズは、もう動かないようだった。


「……大丈夫か?」


サリドの問いかけにニンジャは僅かに頷いた。


「なら、いいんだが。えーと……」


「ストライガー」


「?」


「ストライガー・ウェイツ」


「あ、あぁ。名前ね。因みに俺の名はサリド・マイクロツェフ」


「よろしく」


「ああ。もう終わったがな」


そう言葉を交わして、二人は握手をした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ