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FORSE  作者: 巫 夏希
外伝 とある世界の四月一日
206/207

前編

外伝『とある世界の四月一日』をお届けします。


本作は『FORSE』と『FORSE第二部 -かげろいの歌姫-』の橋渡しとなります。


よろしくお願いします。

「そういえば、今日って四月一日か?」


「そうですけど?」サリドと修一がそんな話を始めたのは、サリドがヒュロルフタームの修理を始めた頃だった。


「それじゃ知ってるか? 今日は俺の誕生日なんだよ」


「えっ、まじですか?! おめでとうございます!!」サリドは焦って、言う。


だが、修一はカラッと夏の陽射しのような、笑顔で言った。


「ああ、残念ながら嘘だ」


「なんで嘘つくんですか!」


「旧時代ではこの日を『エイプリルフール』って言ってだな。嘘をついていい日なんだよ」


それを聞いてサリド。


「へえ……。それは面白い日ですね」


何かを思いついたのか、爽やかな笑みを零して言った。





「なあ、フランシスカ」


「どうした、サリド」


「知ってるか。今日は俺の誕生日だ」


「……分かっていた。はい」


そう言ってフランシスカは花を差し出した。


「……トルコキキョウ?」


「あなたがアネモネを差し出したように、私も花を返す」


「たしか、トルコキキョウの花言葉、って……」


サリドが花を受取りつつ、言う。


「『永遠の愛』……らしいよ? リリーが言ってただけでほんとかどうかは解らないけど」


「……へえ。で、さ。フランシスカ、もう一個言うことがあるんだ」


「どうしたの?」フランシスカはわざとらしく首を傾げて言う。


「実は……今日エイプリルフールなんだ。嘘をついていい日なんだよ」


「……そうか」


サリドはそのときちゃんとはフランシスカの顔は見なかった。だが、覇気というか怒っている感じは顔を見なくとも感じられた。


「あ、あの、フランシスカさーん……?」


刹那、サリドの頬にフランシスカの張り手が炸裂した。

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