後編
本編はこれで終了となります。
4月1日に短編を更新して、第一部を終わらせていただきます。
よろしくお願いします。
なお、第二部は9月からの連載を予定しております。
そのころ。
「……ガラムド、何を書いているんだ?」
「未来の人たちに、魔道書を残しておこうかと」
「全方位守護魔法『ヘイロー・イレイズ』かぁ……。俺には使えない魔法だなあ……」
本の内容を少し見て、修一は苦笑いをした。
「そんなことないよ。誰でも使える魔法にするんだ!」
「そうかー。未来の人を助ける為にも、頑張ってな」
そのころ、
「サリド。私のこと好き?」
「そりゃそうさ」
「じゃ次は子供かー」
「……それはまだ早くないか……?」
サリドとフランシスカは丘の上で仲良く話をしていた。
それを見たグラム。
「畜生、サリドのやろう。人に見せつけるようにいちゃつきやがって……」
「……あ、グラムいた」
そこに近づくひとりの影があった。
それは、リリーだった。
グラムに声をかけたのはリリーだった。
「お? 姫様、どーしたんだ? まさか俺と付き合ってくれるとか?」
「……だったらどうする?」
「――――――へ?」
「グラムだいすき、むぎゅー」
「お。おい!! 解ったから締め付けがきつい!! あと胸とかいろんな場所が当たっとります!!」
そんなほのぼのした風景を遠くの丘からリーフガットとアルパは眺めていた。
「あーまた部下に先越されたー!!」
リーフガットはハンカチを強く噛んでいた。ハンカチがちぎれてしまうほどに。
「残念そうですね」
「アルパ、お前いつから居た。さっさと去れ」
「やだなー。そんなこと言わないでくださいよー」
なぜかアルパは照れながら言う。それを見てリーフガットは、ひとつ溜息をついた。
「ま、いいか。あんたこれからも私の部下よ」
「え、それって……?」
「返事は?!」
「イエッサー!!」
恥ずかしそうにするリーフガットを見て、アルパは恥ずかしそうに敬礼をした。
――こうして、多くの謎を残したままではあるが物語は終わった。
彼らの話は長いこと引き継がれることとなるだろう。
『魔法を使わずに魔獣を倒した人間』として。
第一部、完。
ご愛読ありがとうございました。
サリド「もうちょこっとだけ続くよ!」
フランシスカ「4月1日の更新をお楽しみに!」