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FORSE  作者: 巫 夏希
『人は何の為に生きていくのか?』――ジャパニア二次空白化作戦
200/207

28

そのころ。


「おいサリド。どうやらフラれちまったみたいだな?」


「何だよグラム。急にやってきて」


「解るんだよ。俺には『アネモネの花言葉にはもうひとつ意味がある』って事をさ。あれは確か……」


「やめろ。お前に言われると吐き気がする」


「まぁ、気障なやり方だねぇ? どうして口で言わないのやら?」


「……、」サリドは顔を赤らめながら、「気障じゃなくて、口で言うのが恥ずかしいだけだ」


サリドの答えに、グラムは思わず吹き出しそうになったが、吹き出したら殴られそうな気がしたので必死に押さえていた。


『……という訳なんだが、これでいいかな?』


そのころ。フランシスカたちも作戦会議を終え、最後の休息をとっていた。


「……ええ、いいわ。単純かつ素晴らしいわね」


「……いいと思う」


「さすがですね。やはりシャルーニュのエースだけあります」


三種三様にロゼの作戦を褒めちぎる。


『ありがとう。けれど本当に褒めてもらうのはこれが成功してからだな』


フランシスカもロゼの話を聞いて頷いた。


『じゃあ作戦についてもう話すことはない。……ウィンドとリリーはちょっと席を外してもらえるかな』


「りょーかい」


「解りました」


ふたりはそれぞれの反応をして通信を切った。


「……どうしたの? 急に」


『……さっき、彼、サリドがアネモネを渡したでしょう?』


「ああ」思い出したのか再び顰め顔になるフランシスカ。「あいつ、これから戦いに行くのに『薄れゆく希望』が花言葉の花を渡すだなんて信じらんないわ」


『……そうかな?』


少しの沈黙があって、ロゼは答えた。


「……何が言いたい?」


『アネモネの花言葉はいっぱいあるよ。確かその中には「薄れゆく希望」みたいに悲観的なものもある。けれど、もう一つ意味があるんだ。そう、例えば』


――“あなたを愛す”とかかな?


フランシスカはロゼに言われ、驚いた。彼女には電撃が走ったような衝撃に襲われた。


「じゃあ……あれは……」


『所謂告白ってやつじゃないかな? 彼は今頃落ち込んでるんじゃない?』


「……ロゼ、少し時間あるかしら」フランシスカは少し考えて、呟いた。


『手短に。そして後悔のないように』


そう言ってロゼはフランシスカを見送った。


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