25
その頃、闇の会議場。
「……槍は手に入れたようだな」
「今こそ、神を降臨、堕天させるのだ……!!」
「しかし、その衝撃はこの星を恐らくいくつかの破片に分断させてしまうぞ?」
「それが神の判断ならば、仕方あるまい」
「シグナルはどうする?」
「ヤツラはもう神を信じていない。悪魔の組織だ。そんなヤツラは神の裁きを受けてもらうことにしよう」
「なるほど」
「そのとおりだ」
その言葉に、闇の会議場の所々から声が上がる。
「……ならば、諸君。これでよろしいかな?」
議長の発言に全員は右手を挙げ――賛成の意志を示し――た。
「ならば、槍とエヴァードの融合は手短に素早く行わねばならない。147秒後、射出を行う」
「了解した」
そうして、闇の会議場は再び沈黙に包まれた。
そして、147秒後。
シャルーニュ公国第一公家特領アルセタム・ノーク。
遺跡発掘現場にて、第一級危険物に指定される、“槍”が発動・射出を行った。
之により、目的地:ジャパニアまで35秒をもって射出されることとなる。
✝
「……鳥がざわめいているな……」
「サリド、そいつぁどういうことだ?」
「なるほど……。奴らついに槍を……!!」
修一は何かを思い出したかのように空を見上げた。
そこにあったのは、小さな飛行機雲。
否、それは飛行機雲ではなかった。
「……槍……。あれが……!!」
そう、そこにあったのは、槍。
刺叉のように、三又の槍。
そして、それは、
オリジナルフォーズの心臓があると思われる右胸へと突き刺さった。