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FORSE  作者: 巫 夏希
『人は何の為に生きていくのか?』――ジャパニア二次空白化作戦
184/207

12

その頃、シャルーニュ公国。


「ところで、ロゼ。あなた大丈夫?」


上司であるリヴォルノ・エビアレースがロゼにそう尋ねた。


「?? どうしてです?」


「いや、ほらだって。一人ノータが増えたからそういう精神的トラウマを抱えちゃって」


「まずリヴォルノさん。あなたはトラウマの意味を知ってから使いましょう。それは心的外傷って意味ですよ?」ロゼは適当に笑いながら、「それに彼とは意外と上手くいけそうですし。えーと、ウィンドさん、でしたね」


「そう。ならいいのだけど」リヴォルノは笑って、「そうだ。あなたこれから食事だったりする?」


「? えぇ。まぁ……」


「だったらたまには一緒に食事でもしましょう? この基地の近辺に美味しいパスタ屋さんが出来たのよ!」


「へぇ。……それじゃあ御一緒させて戴きましょうか」


そう言ってロゼはリヴォルノと一緒に歩いていった。





「ほんとあなたって服選びのセンスがいいわよね……。これで身体が良ければ」


「リヴォルノ」ロゼは冷たい、氷のような声で、「これは僕のお気に入りのスカートなの。侮辱しちゃ、駄目ですよ?」笑って言ったが、だがしかし目は笑っていなかった。


「ありゃ。ちょっと傷に触っちゃったかな? ごめんね?」


「いえ……。そんなことは別に構いませんよ。ですけど……」ロゼは隣を指差して、「なぜ彼がここにいるんです?!」


隣には黙々とパスタを絡めとるウィンド・キッシュホックの姿があった。


「まぁ、親睦会みたいなものさ。仲良くなるべきだろう? これから良きパートナーになるんだからな」


そう言ってリヴォルノはワイングラスに注がれた水を飲み干した。


「……まぁそんな話はさておいて。何があったんです?」


「おや、解っちゃった?」


「当たり前でしょう! あんたが食事を奢るなんて言い出すわけないし! なんか裏があるに決まってます!」


「まぁまぁ、落ち着いて」


「これが落ち着いていられるか!」


まるでコントである。ウィンドは小さくため息をついて、またパスタを絡めとりそれを口にいれた。


「……ほらー。あんたがぎゃあぎゃあ叫ぶからナイーブになっちゃったじゃない」


リヴォルノはスープを一掬い飲み、言う。


「……それなら、申し訳ない。ごめん」


「いえ、僕は何とも思ってないですし……」


ウィンドは遠慮がちに笑って言った。

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