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FORSE  作者: 巫 夏希
『蝶のように舞い蜂のように刺す』――プログライト戦争
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先ほどの観測地点から南に800mばかし進んだところに二人はいた。


「……どうしてここに来たんだ?」


「入口か、もしくは通気孔があると踏んで」


「通気孔……か」


グラムは遠い眼で空を見つめて言った。


「そんな暗い顔するなよ、グラム。どうせ簡単に見つかるからさ」


「こんな状況でも笑っていられるお前の方がおかしい。おまえオニの子なんじゃねぇの?」


「よく“オニ”とか言えるね。それは大神道会の信義じゃないの?」


サリドは笑って、答えた。


この世界はたしかに『資本主義国』と『社会主義国』の二強が争って切磋琢磨している世界だ。


しかしながら、その二強が支配出来ていないわずかな『中立地帯』ができていたりする。ここ、プログライト帝国も、そのひとつ。


プログライト帝国はもともとあった世界で、世界一人口の多い国だった。人の種類も世界一だった。


争いも絶えず、人が人を殺し、人の血で喉を潤す。いわゆる残虐な、世界がそこにはあった。


しかしそれも核戦争によって大半が滅び、残った人類は団結し、今の世界を作り上げた。


「でも、争いは絶えなかった。絶えるわけねぇよな。もともと戦闘本能や他人と優劣をつけたがることなんて人間の遺伝子に昔から染み付いてることだしな」



「そうして強い、と弱い、が生まれた。弱い人間はカミという偶像にすがるようになった……。まあ、それが結果として神殿協会や大神道会といった二大宗教が生まれたんだけどね」


「……サリド。話をぶったぎるようで悪いが見つかったのか? 入口は」


グラムが尋ねると、


「ああ。見つかったよ」とサリドは笑って答えた。



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