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FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
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32

なぜ、この唄が吸血鬼の唄と呼ばれているのか、歌詞の意味を見れば早い。


『吸血鬼がやってきた

 町をあれよと破壊した

 吸血鬼を手にした少女は笑った

 少女は潔癖でありたかった

 少女は苦しみを分かち合いたかった

 少女はただ、仲間が欲しかった

 吸血鬼は願いを聞き遂げて空に火を放った

 少女は楽しかった。自分が嫌いな世界が消え去ったことに

 その後少女の姿を見たものはもういない……』


タイトルの通り、この唄は吸血鬼とその友達となった少女の唄だ。


これは童歌だ。童歌には必ずやモデルがある。


遥か昔、空の大半を、即ち大地のほとんどを、消滅させた魔術を行使した人間がいた。


しかしそれを“直接的に行使したのは”彼ではなかった。彼は才能はあったものの、それを自らの魔術として生かすことができなかったからだ。


彼は長い調査の上、ついに適応する人間を発見した。まだ彼女は年端もいかない女の子だった。


だが、彼にはそんなことは関係なかった。彼は少女に魔術を行使し、受け継がせた。


そして、起きたのが後に言う『オリジン・インパクト』。それこそが終わりで、終わりは始まりを呼んだ。


「……どう思う? あの子」


ラインツェルはリーフガットに向かって、言った。


「どう考えても普通の人間ではないことは確かね」


「そりゃそうよ。有り得ないもの。そんなの」


「……だけど、まだ此方には気づいてないの……?」


「そうみたいだけど、気づかれるのも時間の問題よ。さっさとここから逃げましょ」


「逃げて……どこへ?」


「攻撃をするなら今の内、ってわけよ。戦争にルールなんて存在しないからね」


ラインツェルは笑って答えた。

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