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FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
159/207

27

その頃、リーフガットはアルパと共に資料を漁っていた。


目的は、フォービデン・アップル。


それを、彼女たちは血眼になり探していた。


「フォービデン・アップルの目的は……一体何なのかしら……」


「この資料を見るからに彼らが活動を開始したのは9年前、となってますね。ちょうど彼らが言う『方舟』が見つかった頃でしょうか?」


「アルパ。その資料はいつの?」


「えーと……ドグ暦9990年ってなってますよ。感じからして神殿協会側の物っぽいですけど」


「物っぽい、じゃなくてそれは確か本物よ。クーデターを起こした神殿協会から、ね」


「クーデター? 神殿協会が今のようなことを起こしたんですか?」


「クーデター、と言っても暴動に近いわ。その頃彼らは武器もメタモルフォーズも無かったけど、力はあった。その有り余った力を用いて強引に政治を自分達が有利な方へとねじ曲げようとしていた。だからエンパリヤークが直々にこちらに救援要請をかけてきたの」


「要請、って……。エンパリヤークは社会主義国でしたよね? 資本主義国であるうちに助けを求めても……」


「普通ならば、ダメだろうな」


リーフガットの言葉にアルパはただ首を傾げることしかできなかった。


「……ここからはあくまでも推測だ。結果としてはレイザリーは油田の共同開発比率の変更によって神殿協会を鎮圧させるよう軍を仕向けたんだが……。最近。“これ一連の事件はシナリオ通りに進まれている”のではないか、と思い始めてね……」



「結果は……どうだったんですか?」


アルパは恐る恐ると尋ねた。


「失敗だったよ。大失敗だ。……三千人いたレイザリー軍の内生き残ったは五十人余り。一割すら残らなかった」


リーフガットは淡々とただ事実を述べた。


そして、


「……『吸血鬼』……って言われても、あなたは信じる?」


リーフガットは唐突にそんなことを言い出した。


「吸血鬼……ですか?」


「そう。科学では解明されていない、いわば眉唾物のそれを神殿協会は大量に保有していた。……私たちの信じていた科学があっと言う間に崩された瞬間、よ。確かこれはどこの資料にも載っていない。生き残った五十人ほどのみしか知り得ない情報」


リーフガットはタブレットを操作するのをやめ、紅茶を一口飲んだ。


「そして、私もそのひとり」


リーフガットはそう言って、さらに話を続けた。


それは九年前にあった真実についてだった。


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