表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
157/207

25

そこにあった風景は凄まじい惨状であった。


槍に腹を貫かれたルビンはなんとか抜こうと力を入れ(それでも腹は穴があいているため、緑色のLSSではない液体が溢れ出していた)、しかしそれは出来なかった。


その時、空に声が響いた。


『更なる罪を! 更なる罰を! 聖槍せいそうよ、全てを貫け! そして神の使いよ! その肉を喰らい、血となり肉となり聖なる贄として昇華させよ!』


その声と共に、空が暗くなった。


空を見ると、そこにいたのは、


「メタモルフォーズ……!! まさかこんなにもいたというのか?!」


三体ものメタモルフォーズが空を飛んでいた。持っていたのは、槍。


「……まさか!!」


サリドは一番考えたくはない、その事を思い付いてしまった。


そしてそれは、現実となった。


刹那、メタモルフォーズはそれぞれが持つ三本の槍をまずルビンの(最初に腹腔に刺さった槍を抜こうとしている)右手に向かって投げた。


「ああああああああああああああああ!!!!」


絶叫が再び空に響いた。ルビンの右手は真っ二つに裂かれ、肩に突き刺さっていた。


そして次にメタモルフォーズは頭、そして心臓に槍を突き刺した。


「ライラ!!」


グラムが叫んでそこへ行こうとしたが、


「ダメだグラム!!」


サリドがそれを足止めした。


「ダメだ……。駄目なんだよ。今の俺らはこれを黙って見ているしか……ない。ヒュロルフタームが来るまでは……!!」


そうしている間にもメタモルフォーズたちは次の段階にシフトしていた。


まさに肉に群がる烏のように、槍を突き刺されたルビンのほうへ向かう。


まず、装甲を破壊。中にあった“筋肉”が姿を現した。まるで、メタモルフォーズのような。


「……ヒュロルフタームの中身は……メタモルフォーズ?!」


それを見てサリドの中には吐き気よりも驚愕の方が先に出ていた。


そしてメタモルフォーズは筋肉を喰らう。他のメタモルフォーズも装甲を剥がし、その中にあったまるで人間のような臓器を口で強引に引っ張り出す。その光景は、まるで地獄絵図だった。


そしてメタモルフォーズが最後に狙ったのは、


「よせ……。やめろ……!!」


装甲を外され、剥き出しとなった、コックピット。メタモルフォーズは躊躇なくそれを噛み砕いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ