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FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
155/207

22

そのころ、国境近くの高台で。


ヒュロルフターム、ルビンが跳躍を開始した。


日陰の不安定さに部隊は不思議がり空を見上げ、


そして呻いた。


空にあるのは資本主義国の象徴、ヒュロルフタームだった。


ヒュロルフタームがある、これは即ち勝利に等しい。


叫んだ。逃げた。構えた。部隊の軍兵たちは多種多様の行動に出た。


しかしながらヒュロルフタームがそれを許さない。


刹那、ヒュロルフタームは部隊のど真ん中に着陸した。


パイプのようにひしゃげた体に血の香りはあたりに居た人間が噎せ返ってしまうほどだった。


「ちくしょう! 思ったより早く来やがったな!」


「……中隊長、どうなさりますか?」


「どうもこうもない! 本部から借りてきたあれを使うしかないだろう!! 総員準備だ!!」


中隊長の苦悶にもにた表情による指示に従い、総員はヒュロルフタームより位置をとった。


「……なにをする気かしら……?」


ヒュロルフターム内にいたライラはその行動があまりよく解らなかった。理解しようがなかった。


「……総員、構えよ!!」


中隊長の指示に従い、総員構えをとった。


そして、声が響いた。


『異端者には、罪を!』





刹那、空から何かが雨のように降り注いできた。


それは、槍。


ルビンはそれを避けようとして更に跳躍を開始、部隊には名残惜しそうに離れていく。


しかし、それでも槍はルビンを追ってくる。


「あぁ!! ちくしょう!! GPSでもついてるのかあれは?!」


ライラはそう言いながらも槍の雨を避けようと空を見上げた。


槍は、もうなかった。


「?!」


ライラはそれを見て一瞬緊張の糸を解してしまった。


だからこそ、気付けなかった。


空から降ってきた、あるものに。


それはさっきと同じ槍だ。だが、先程と違う。それは、複数ではなく、単数であることだ。


「……!!」


ルビンはその槍を避けられなかった。


だから、槍はルビンの腹腔を貫いた。


ヒュロルフタームとノータは神経パルスの位相を合わせることによりシンクロする。即ち、ヒュロルフタームとシンクロしたノータはヒュロルフタームのミニチュアのフィギュアかつ脳だ。


つまりは、ルビン自体が受けた“痛み”も、ライラが受けることになる、ということだ。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


絶叫が、空に響いた。

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