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FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
153/207

20

そのころ。


ライジャックが地下の薄暗い廊下を歩いていた。


周りは石で囲まれているため、少し息苦しい。しかしそれがその空間の尊厳を醸し出しているようにもとれた。


「……国王」


廊下の先には一人の男がいた。ゆったりとした黒い袈裟を着た男だった。


「……なんだ、君か。どうしてここにいるんだ?」


「次に国王が来られるのはここと思い」


「……なるほど。いい推理だ。その様子だと……私が何を見に来たのかも解るな?」


ライジャックの言葉に男は頷いた。


「“知恵の木の実”……ですね?」


男はそれだけを言って、通路の奥へ歩いた。


「しかしまぁ……、ここの雰囲気は本当に慣れない。……慣れないんだよ。なんというか……駭駭おどろおどろしい感じがな、なんとも」


「解ります……。しかし、人類のためにここは使われる時まで保存しておかねばなりません」


「神への挑戦……か。そんなことが出来ると思うのか?」


「シナリオは順調に進んでいます。はじまりの福音書もあと少しで終了です。そのあとは……我等の望んだ世界になる」


男は気付くと笑っていた。


「……だから私がいつまでもこれを保存しておけ、と? あれは神の世界へとシフト出来なかった旧時代の象徴だぞ?」


「だからこそ、です。我々はまだあれに利用価値があると踏み、コピーを作り上げたのです。人造人型兵器……ヒュロルフタームを」


「量産……10号機までだったか?」


「えぇ。ですが最終的にはヒュロルフタームは用済みになっちゃうんで、そんな必要かは解りませんけどね」


その言葉と同時に、男は立ち止まった。


「……まだ、あるんですねぇ。しかも元気なままで! あなたにはほんと感謝しますよ!」


男は見て解るように興奮していた。


何故ならそこにあったのは、


ヒュロルフタームだったからだ。

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