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「待てよ……。ということは次にその印みたいなものが刻まれる……ということか?!」
リリーは思わず声を裏返してしまうほど、驚いた風に見えた。
「そういう風に……なると思う。そして多分きっとそれはそう遠くない未来……」
「なんでそれが……?」
「それは続きを見れば解るわ」
そう言ってフランシスカは更にもう一枚写真を見せた。
「文書を訳すのは……出来ないけど、絵を見る限り、『魔法の興隆』『降り注ぐ弾丸』『やって来る英雄』『科学の拘束』『古書の読み姫』など……色々あるけど、多分この世界の未来に関する何か……だと思う」
「なるほど。……ということは呼んだのはこれが原因ね?」
リリーは溜め息混じりに呟いた。
それを聞き、フランシスカははっきりと頷く。
「それじゃ……質問なんだけど、どうしてそれがそうだと解ったの?」
「……父の、博士の書斎に入ったら一冊の古いノートがあった。タイトルとかは書かれてなかったけど、写真とその写真の見解が書かれていて……」
「怖くなって、私に連絡した、とでも?」
リリーの言葉にフランシスカは小さく頷いた。
「そうね。……それに父が遺した手紙もあって、読んだの。どうやら……父が殺されたのはそれが原因……らしいの」
フランシスカは、泣くのを堪えようとしながら、言った。
「……なるほど。となると……やはり全ての悪は神殿協会に繋がる……。そういうことになるわね」
リリーは、自分が先程注文したアイスレモンティーを一口含み、言った。
次回更新:02/08予定
ストックはだいぶたまっておりますが、とりあえずここで終わりとなります。次の更新をお待ちください。