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FORSE  作者: 巫 夏希
『世界を、変えるのは我々だ』――ディガゼノン聖軍討伐戦
143/207

10

「……そういやことになるな。だが、レイザリー王国はそれを隠してる。……何故か解るか?」


「神殿協会に存在意義を与えてしまうから……ですか?」


「その通り。神殿協会は今でさえ必要悪として撃退してよいと為されている。そんなやつらに『方舟が見つかりました』なんて言ってみろ? さらに増長して我儘をエスカレートさせて行くだろうな」


ガンテは何処か遠い場所を見つめ、言った。


「……話が過ぎてしまったな。本題に入るとしよう」


「お願いします。パルス位相のシンクロ実験でしたよね?」


「あぁ、多分そろそろパイロットスーツを着たノータがチェックにやって来るはずだ」


ガンテが言った、その時だった。


「へぇ~。これがヒュロルフタームなんだぁ~。もうちょっとゴツゴツしてるイメージあったけど、実物で見るとそんな変わりないなぁ……」


サリドは入口の方から何処かで聞いたことのあるような、甲高い声を聞いて、少し鳥肌が立った。


「……ま、さか……?」


「どうした? サリド。もしかして知り合いか?」


「いや……、あの、腐れ縁って奴でしてね……」


サリドは溜め息混じりに呟いた。






「ライラだ。よろしくな?」


彼女は開口一番、そう言ってサリドに握手を求めた。サリドもそれに従って握手をする。


(こう見ると結構作法もちゃんとしてるし。何処の方なのかな……?)


サリドはそんなことを思っていたが。


直ぐにその事は撤回せねばならなくなる。


握手をして、直ぐのことだ。


サリドは掌に違和感を感じ、見た。


「……、」


そこにあったのは、食べ終わったガム。べっとりと粘ついたそれはサリドの掌に頑固で離れない。


「おい、お前!」


サリドは激昂して叫んだ。


「……言っておくけど、この正式な訓練が終わったら私はあんたの上司になるのよ? それなのにお前呼ばわりはねぇ」


「名前を知らんからしょうがないだろ!」


「あらそうでした。……じゃあライラよ。ライラと呼びなさいな」


そう言ってライラは鼻息混じりにヒュロルフタームのコックピットへ歩いていった。


「なんなんだ。一体……。というかまじであいつが上司になるのかよぅ……」


サリドはあの言葉が相当響いたらしく、暫く落ち込んでいた。


「おい! ボケッとしてんじゃないよ! 始めるぞ!!」


ガンテに乱暴な口調で言われ、耳を引っ張られ半ば強引に連れていかれるまでは。


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