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FORSE  作者: 巫 夏希
『総ての平和を求める人へ』――世界トライアスロンの14日間
101/207

3-5

そのころサリドたちはフランシスカのマンションで適当に時間をつぶしていた。そうとはいっても今はサリドがベッドで眠り、グラムは眠たい目をこすりながらテレビ番組を遠い目で眺めていた。


「なぁ……、今何時だ?」


ゆっくりと起き上がったサリドがグラムに尋ねた。


「一時くらいかな。安心しろ。あと30分は眠れるぞ」


「いや、そうじゃなくて……なんだろう。何処と無く嫌な予感がするんだよね……」


サリドはまだネオンライトで明るい夜の区々(まちまち)を眺め、不安げに呟いた。





そのころ。


「無駄だと言ってることが解り得ないのですか……。まったく、可哀想なことです」


グレイペヤードは何故か悲しげに呟いた。


その直後、フランシスカは自らに情けをかけていることを解り更に腹が立った。これはグレイペヤードからのものでもあり、同時に実戦(ここではヒュロルフタームを用いた戦闘ではなく人間同士の、昔から続く闘いの意味をさす)の経験が全くない自分にも腹が立っていた。悔しくて、悔しくて、仕方なかった。


「……解りました」


そんなことをフランシスカは考えていたのだがグレイペヤードのその一言で我に返らされた。


「ほんとうは傷つけてはならないと言われたのですがね……。なんせあなたは“あのお方”の家族の友人だというのだから」


しかし、


「あなたが諦めないと言うならば、此方とも本気で戦わせていただきます。見せてあげますよ」


そう言うと、グレイペヤードは嫌味のあるニヒルな雰囲気を醸し出した笑い方でこう言った。


「魔法、をね」

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