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「何をする気?!」
残されたフランシスカはロゼから渡されたものではなく一応の事態に備えて用意していた拳銃を構え、言った。
「……ご安心ください。今回はあなたたちに危害を加える気は更々ありません。まだ命令もされておりませんし。彼女に関しても困惑してまともな戦闘が出来ないと判断したが故の決断です。なぁに、ただ意識を失い気絶しているだけですよ」
「気絶しているだけ……?」
それを聞いてフランシスカも安心してしまったのだろう。拳銃をもつ腕の力を緩めてしまっていた。
「……で、私がここにきたのは、まぁ、列記とした理由がありましてですね。……そうそう、そういえば手紙を預かっていたんだった」
グレイペヤードはさっきとはうってかわっておっとりとした感じで自分の服の中にあると思われるその手紙を探していた。
「これだこれだ」
グレイペヤードはようやく手紙を――と言ってもただのメモ書きにしか見えなくもないが――発見して、それを見ながら話を始めた。
「えーと、じゃあ言わせて貰いますねー」
グレイペヤードは特に緊張感もなしに普通の感じで言った。
「我々神殿協会は全世界に対して宣戦布告する。これは聖戦であり神の名のもと、粛清を加える」
グレイペヤードは唐突に手紙の内容を話した。それは恐ろしくも冗談にしか見えない、そんな戯言に近い発言でもあった。そんな発言、誰が信じるとでも言うんだ、と言わんばかりにフランシスカは鼻で笑った。
「聖戦? 神の名のもとに粛清? 笑っちゃうね……!! そんなこと出来るとでも思っているのか?」
「当然。完璧に成功するとは考えていない。神の名の許にこれを実行するのであって、実際には五分五分であろう」
グレイペヤードは今までの軽やかな口調とはかわり、厳かな雰囲気を醸し出すようなそんな口調に為った。
「しかしながら、我々は神に『この戦いに勝つ』ように命じられたのだ。この闘い、負けるわけにはいかぬ」
「ならば…… 今ここで戦うしかないかな?」
フランシスカはそう言って、グレイペヤードに向けて駆け出した。
更新はここまでとなります。少々遅れてすいません。いいところで切れてしまいましたが、ここまでの更新です。
理由と申しましては更新する『日にち』が少なかった、ということです。現在エブリスタ版のストックは『100字』あまりとなっています。これ以上の更新は到底無理です。
次回更新は01/11に予定しています。その時までには7~8ページほど書いておきますのでそれくらい更新したいなーとか思っております!
P.S.100話&10万字達成しました。ありがとうございました。