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見た目は22歳中身は53歳 理美的未知との未遭遇 異世界ライフ

市指定ゴミ袋

作者: ヘキサク 希
掲載日:2026/07/12

余った45Lゴミ袋


金曜日はゴミの日だった。


市指定の45Lゴミ袋が残り少なくなっていたので、理美は五セットまとめて買ってきた。


そして翌日の土曜日。


理美は出かけ、その日の夜に異世界へ来た。


当然、買ったばかりのゴミ袋も異世界の家に大量に用意されている。


「……こんなことなら買わなきゃよかった。」


五セットもある。


しかし、少し考えた。


「いや、日本の私は買っとかなきゃ困るんだから、しょうがないか。」


日本の理美は、これからも金曜日になればゴミを出す。


必要な買い物だった。


異世界の自分には必要なくなっただけである。



異世界へ来て最初の日。


理美はゴミ箱の中を見た。


ない。


昨日まで入っていたゴミが、きれいになくなっている。


一日経てば、ゴミ箱に入れた物は消える。


JINから聞いていた通りだった。


「ほんとに消えたんだ。」


しかし、理美はすぐに気づいた。


「……ゴミ袋もない。」


ゴミ箱にセッティングしておいた45Lのゴミ袋まで消えていた。


金曜日はゴミの日。


しかも土曜日は出かける予定だったので、なるべくゴミを残さないようにしていた。


袋の中には、ほとんど何も入っていなかった。


それなのに。


ゴミ袋ごと消えた。


「もったいな。」


理美は少しショックだった。


そして気づく。


「じゃあ、もうゴミ袋セットしなくていいんだ。」


ゴミ箱に直接入れれば、一日後には消える。


生ゴミはディスポーザー。


生活排水もトイレも、流せば消える。


ゴミ袋。


いらない。



理美は、買ったばかりの市指定45Lゴミ袋五セットを見た。


「……これ、どうすんの。」


捨てればいい。


ゴミ箱に入れておけば、一日後にはきれいさっぱり消える。


簡単である。


だが、未使用のゴミ袋を何もせず捨てる。


昭和の女としては、どうにももったいない。


「なんか使い道ないかな。」


理美は考えた。


「あ。」


つけ置き洗い。


そういう使い方があった。


「OKヒューゴ。」


「はい。理美様。」


呼び出したヒューゴを連れ、理美は換気扇へ向かった。


異世界の家は、日本の理美の家をそのまま再現している。


そのまま。


本当に、そのまま。


理美が長い間、見えなかったことにしていた換気扇の汚れまで、そのまま再現されていた。


「JINさん、こういうとこまで忠実に再現せんでもいいのに。」


理美は45Lゴミ袋を一枚取り出した。


「これに洗剤入れて、換気扇つけ置きしといて。」


「かしこまりました。」


一枚使用。


「あ、そういえばエアコンもいけるな。」


理美の家は4LDK。


すべての部屋にエアコンがついている。


子供部屋だった二部屋は、多目的部屋として使う予定なので、とりあえず今はいい。


だが、リビングと自分の寝室は使う。


「この二台、掃除しよう。」


ゴミ袋を養生と汚水受けに使い、ヒューゴにエアコンを掃除させた。


二枚使用。


換気扇と合わせて三枚。


理美は残ったゴミ袋を見た。


「……全然減らん。」


五セットあるのだ。


三枚使ったところで、どうにもならない。



理美は考えた。


「そういえば……。」


どこかの記事で見たことがある。


ゴミ袋で作ったドレス。


「OKヒューゴ。」


「はい。理美様。」


「ゴミ袋で、オートクチュールみたいな、ものすごい立派なドレスって作れる?」


「服飾技術をインストールします。」


少しして、ヒューゴが答えた。


「可能です。」


「じゃあ、作ってよ。」


理美の市の指定ゴミ袋は白い。


ヒューゴは白い45Lゴミ袋を使い、本格的にドレスを作り始めた。


出来上がったのは、ウェディングドレスのような、マリー・アントワネットを思わせる豪華なドレスだった。


「おお。」


理美は感心した。


「着てみてよ。」


「かしこまりました。」


ヒューゴが着た。


若い頃のヒュー・グラント風の男型AIアンドロイド。


顔はいい。


非常にいい。


そのヒューゴが、白いゴミ袋で作られた豪華なドレスを着ている。


理美はしばらく眺めた。


「……やっぱ、イケメンでも男の人は無理だな。」


もう一度見る。


「男の人には合わないな。」


「理美様のサイズでも、簡単にお作りすることができます。」


「いや、絶対嫌だよ。」


理美は即答した。


「なんで私がゴミ袋着なきゃいけないの。ゴミ袋、暑いし。」


自分で作らせた。


自分でヒューゴに着せた。


男の人には合わないと言った。


そして、自分用は断った。


理美はドレスを見た。


「これ、どうするかな。」


ゴミ箱へ入れようとして、手を止めた。


「……JINさん、着るかな。」


少し笑った。


「一応、置いとこ。」


こうして、ゴミ袋のオートクチュールドレスは保管されることになった。



それでも。


45Lゴミ袋は、まだ大量に余っていた。



暑い日。


理美はリビングでゴミ袋を愛でていた。


抱きかかえている。


よく見ると、ゴミ袋の中には水がたっぷり入っていた。


ひんやりしている。


「……この使い方が一番いいかもね。」


理美は水の入ったゴミ袋を抱きしめた。


「今、夏だし。」

JINさんなら、喜んでゴミ袋ドレスを持っていきそうな気もする。


でも、日本に持っていかれて着られても困るんだけどな(笑)

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エアコン掃除!この事だったのか!
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