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サイドストーリー:現代の狼煙と古の戦略


I. キーウの地下壕、秘密の面談

202X年。キーウ。

アンドレア・フェルナンデスが「守影」の広告を発見した数週間後、影丸の末裔である**影山カゲヤマ**は、ウクライナ情報部によって秘密裏にリスボンから連行され、キーウの地下深くにある軍事施設へと送り込まれた。

影山は、三十代半ば。日本の武道家のような鋭さと、ヨーロッパの学者のような冷静さを併せ持っていた。

彼は、情報部を通じて届けられたアンドレアからの手紙——霞の血脈からの警告——を胸に秘めていた。

対面したのは、ウクライナの戦時最高指導者、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領。彼の表情には、疲労と、祖国を守り抜くという鋼の意志が刻まれていた。

「影山殿。我々は、あなた方の**『守影』**の伝説を知っている。あなた方の先祖は、四世紀にわたり、人類最大の戦争を終わらせてきた。我々は、助けを求めている。」


II. 忍び流の戦略:「木と煙と数」


影山は、大統領の前の簡素なテーブルに広げた紙に、第二次大戦時のプロペラ機の簡略図を、ペンで強く叩いた。


「大統領。まずはっきり申し上げます。」

影山の声は静かだったが、その言葉には絶対的な確信が込められていた。

「ウクライナは、戦い方を間違えているから、勝てません。」

地下壕の空気が凍りついた。通訳を務める情報部員が息を飲む。

「何を言うのだ。」大統領の目が鋭く光る。「我々は、最先端の武器、西側の支援を得ている!」

「それが間違いです。」影山は冷静に続けた。「あなた方は、**『最高の武器で、最少の敵』**を倒そうとしている。それは、時間と資源の無駄遣いです。ロシアは、あなた方が期待するほど、知的な敵ではない。彼らは、数と圧力でしか戦えません。」


「高性能な戦闘機は、製造に時間がかかりすぎる。一機失うたびに、西側への依存度が深まる。」影山は断言した。

「必要なのは、『数の暴力』、そして**『敵の計算を狂わせる攪乱』**です。」

影山は、ゼレンスキーの目をまっすぐ見て、常識外れの戦略を提示した。

「第二次世界大戦でイギリスが導入したハリケーン戦闘機、そして日本が誇る零戦の初期の設計を応用し、主要な素材を木製にした簡易戦闘機を二万機。開発してください。電子機器のみを外部調達し、ウクライナ国内で、迅速かつ大量に生産するのです。」

「二万機だと? そんな旧式機が、ロシアのS-400や最新鋭機に対抗できると?」大統領は苛立ちを隠せない。

「対抗はしません。数を投じるのです。」影山は冷徹に言った。

影山は、机の上の紙に、簡潔な構造図を描き足した。

「動力源は、既存の大型トラックのエンジンを流用します。それを二基連結させ、プロペラを回す。機体は、木製フレームに布張り。これなら、ウクライナ国内の家具工場や木材加工工場で、すぐさま生産ラインに乗せられます。修理も、特殊な部品を必要としない。地の利を最大限に活かす、乙原の里の哲学です。」


「戦闘機に搭載するミサイルの、、シーカー、、はキャノンのCameraで画像認識の追尾装置を導入する事で低コストで大量生産が可能です。ロシアのスホーイ戦闘機やミグ戦闘機が接近した場合はAI認識で自動発射します。」


「木製布張りの戦闘機に155ミリ砲の爆薬を牽引します。そしてウクライナ軍が標的とするのはロシア軍の、戦車、装甲車、自走砲、軍事車両です。

この攻撃によりロシアの強みである地上戦力を無力化し裸同然となった歩兵を無慈悲な爆撃で消滅させます。」


「一万五千機を無人機とし、残りの五千機をカミカゼ(攪乱機)として投入する。ロシアの防空網は、高性能機を『迎撃の価値がある』と認識しますが、この木製で低速の群れを二万機同時に処理しようとすれば、システムは崩壊する。高価なミサイルは飽和し、パニックに陥る。」

影山は顔を上げた。

「それは**大友忍軍の『火薬の波』**と同じです。彼らの計算を狂わせ、戦線を麻痺させる。制空権は、技術ではなく、数と、狂気の戦略で奪うのです。」


III. 終結と宿命

ゼレンスキー大統領は、影山の冷徹な瞳をしばらく見つめていた。その瞳の奥には、四世紀前の戦場、そして大戦の影を見た者だけが持つ、異様な知性が宿っていた。

「二万機の木製機……それは、我々の資源と、我々の国民の命を賭けた、ギャンブルだ。」

「忍術は、常にギャンブルです。」影山は静かに言った。

「大統領。あなたの祖国は、**『守の影』の協力を求めました。私たちは、戦を終わらせるために存在する。しかし、その方法は、あなたが考える『正しい戦い方』**とは全く違うかもしれません。」

影山は立ち上がり、一礼した。

彼の背中には、鶴見岳の谷で生まれた「守るための哲学」と、三十年戦争で命を散らした祖先の血が、確かに流れていた。

「我々は、影として勝利をもたらします。決定は、光の指導者であるあなたに委ねます。」

キーウの地下壕に、重い決断の空気が満ちた。影丸の末裔がもたらした「狂気の戦略」は、現代戦の常識を根底から覆す、**「影の介入」**の始まりだった。

これで連載は一時休止したいと思います。


しかし、誰か1人でも続きを読みたい!

と、言う方が、いらっしゃれば再開したいと思います。


ありがとうございました。

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