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RITA(リタ)  作者: 虹空
22/24

研究者オリジン博士

「オリジン博士だよ。」




母親の話を聞き、急いで研究所に戻ったケントは

あちらこちらに血がついた机や壁を見た。

「な、なんだ、これは!?」

そこから引きずった血の跡を見つけその後を追っていくと

コンピューター室の前に出た。

扉を開けると、そこにはソンの遺体と重なる様に倒れている

マリーとハルを見つけた。

「おい、おい、しっかりしろ!二人とも!」

ケントが2人の身体を揺すると、2人はゆっくりと目を開けた。

「大丈夫か!?一体何があったんだ?ソンは、ソンはどうしたんだ!?」

「何がどうなったのか・・・誰かに後ろから殴られて・・・

ソンは研究所の前で倒れてたのよ。」

マリーは殴られた所が痛むのか、ずっと押さえていた。

「私も・・・マリーさんにソン君を見ていてと言われて

誰かに後ろから殴られて・・・気が付くと、ここに。」

「とにかく、コロニーに戻ろう。立てるか?2人とも。」

「私達は大丈夫だけど、ソンは・・・ソンは、どうするの?」

「とにかく今はコロニーに戻るぞ。俺達は大変な勘違いをしていた様だ。」

ケント達は急いで、コロニーに向かった。


コロニーの扉は少しだけ開いていて、そこからレオンが銃を構え

その銃口を誰かに向けているのが見えた。

ケント達が扉のスイッチを押すと、ゆっくりと扉は開き銃口を向けている相手が

オリジン博士だと分かった。

「オリジン博士!?やっぱり・・・レオン、何してる!?」

レオンはケントの声に驚いていたが、銃口はオリジン博士から逸らす事はなかった。

「見れば、わかるだろう?今から、こいつを始末しようと思って。俺達をこんな所に70年間も閉じ込めた上に、ユナとジャックを殺したんだ!それから・・

それから、こいつは、俺を捨てた親父なんだよ!」

オリジン博士は、両手を上げたままレオンの話を驚きもせず聞いていた。

「そうだ。お前を捨てたのは私だよ。」

レオン引き金を引こうと構えた。


「やめろ!レオン、俺達は間違えていたんだ!70年も経ってはいないんだ!」

「ど、どういう事だ?」

「とにかく、銃をおろしたくないなら、そのままでいいから、オリジン博士の話を聞こう。説明して

くれるよな?博士。」

オリジンは両手を降ろし観念した様に話し始めた。


「どこから話そうか?マリー君の父親マイクと私が同じ研究所で働いていたのは

聞いてるかい?私と彼は同じ研究所で働いていてね。

その頃、どんどんと経済が悪化して、働く場所も無い、働いたとしても

その日食べるのがやっとの小遣い程度のお金しか貰えない。私とマイクも同じ

だったよ。当然だよ、なんせ、この星の要人達は、自分達の豊かな暮らしと

地位にしか興味が無かったんだから。誰も、この星の住人達の事など

考えちゃいない。それどころか、貧しさが原因で、各地に暴動が起ると急に

要人達は自分達の地位がおびやかされては困ると思い、病気でも流行れば少しは大人しくなる

んじゃないかと考えた。そう考えた奴らは、僕達研究員にある依頼をしてきた。

それが、ウィルスだよ。」

みんなはその言葉に息をのんだ。


「初めは、そんな事、乗る気も何もなかったさ。しかし、どうしても研究費が欲しくてね。

莫大な研究費と引き換えに引き受ける事にした。それから、私とマイクは、来る日も来る日も研究を重ね数年後とうとうウィルスを完成させた。

これを要人達に引き渡せば、私達の研究も暮らしも楽になると

思っていたら、急にマイクは廃棄しようと言い始めたんだよ。どうしてだと思う?」

オリジンはマリーの方を向き言った。

「君が余計な事を言ったからだよ。」

「余計な事って何よ!?」

「君が彼に、毎日遅くまで病気で苦しんでいる人を助けたいと研究している

お父さんは、私の誇りだとか何とか言ったせいで彼は、心変わりをしてね。

なんて言ったと思う?いつまでも、娘の誇れる父親でありたいと言ったんだよ。

私は言ったよ、何度も、何度も、何度も・・・考え直せと。

ところが彼の意志は固かった。仕方なく私は彼にウィルスは廃棄したと嘘をつき

ウィルスを外に持ち出した。」

「じゃあ、博士がウィルスを!?」

「そうだ。私が計画通りウィルスを世の中にバラまいたんだよ。」

「どうしてそんな事を!?」

「要人達に引き渡しても良かったんだけどね、研究者の血と言うか、私達が作った

ウィルスにどれだけ威力があるか、知りたくなったんだよ。結果は想像以上だったよ・・・少し威力が強すぎたけどね。おかげで、オリジン計画を考えて実行するハメになってしまったがね。そのことが公になってから、ウィルスの存在を疑い始めたマイクは私を問い詰めた。

あの時のウィルスではないのかと。もちろん私は本当の事を言う気がなかったから、黙っていたがね。でも、私の態度を見て、ウィルスは存在していると確信を得た彼は、ワクチンを作るために製薬会社を作った。私はといえば

研究所に残りウィルスの研究を続け、ある物を完成させた。」

「それがワクチン・・・ってわけか?母親に聞いたんだよ。

俺達がここに来てから5年くらいしたら、急にワクチンが出来たって

報道されたと。」

オリジンは大声で笑った。

「あれは実に愉快だったよ。自分達が作ったウィルスを弱体化させるワクチンを

自分の手で作れるなんてね。それも、今度は私一人で完成させたのだから、

マイクより優秀だったことが証明されたからね。」

マリーは震える拳を握りしめ、オリジンに問いかけた。

「それじゃあ、私の父は・・・父は、どうして自殺したの!?」

「バカなあいつは、自分が生み出したウィルスのワクチンが出来ない事に

耐えれなかったんだろう。自分の限界を知って死んだんだよ!

君がオリジン計画のメンバーに選ばれて出発したのを

見届けて自らの過去の罪を背負って死んでいったよ。」

マリーはその言葉に泣き崩れた。

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