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RITA(リタ)  作者: 虹空
20/24

ある屋敷の秘密

「犯人は、まだ見つかってないんだけどね。」

「え!そうなんですか!?こ、怖い・・・。」

「気味悪いわよね~こんな家、とっとと掃除を終わらせて帰りましょ。」

マリーは二人に聞きたい事があったが

主婦達は家の中に入り掃除を始めた様だった。

製薬会社の社員の家を掃除しているのなら

主婦達は何か知っているかも知れないと考えたマリーは

二人が出て来るのを待つことにした。

思ったより早く屋敷から出て来た2人は、別々の道に分かれて帰って行った。

マリーはその内の1人を追いかけ、話しを聞いてみた。

突然背後から話しかけられた主婦は、驚いた形相でマリーを見た。

「さっき、あなた達の話が少し聞こえたんだけど

あの家のご夫婦って、殺されたの?

それっていつの話し?」

「ああ、ビクトリア夫妻の事?

え~っと、いつだったかしら・・・?

あ!そうそう、昔、オリ・・・何とかって言う計画があったじゃない?」

「オリジン計画?」

「そうそう、そのオリジン計画、あれが始まる半年前くらいの事だったわ。

夜遅くに入られた泥棒に2人とも殺されたみたいよ。

お嬢さんがいたみたいなんだけど・・・。」

「お嬢さん?」

「ええ・・・名前は忘れちゃったけど

そのお嬢さんだけが助かったって言う話なのよ。

ほら~ここらへんは大金持ちが多いから

それで泥棒に入られたんじゃないかって、みんなが噂してたわ。

なんせ、ここは、あの自殺した会社の社長さんが作った街でしょう~

そりゃあ、みんな住んでみたいだろうし、お金も持ってるって

思われても仕方が無い事だわよね~」

まだ主婦の話は続いていたが、マリーの耳には

入ってこなかった。

《え!お父様が自殺したって・・・何かの間違いだわ。》

「そ、それってマ・・マイク=エンドの事・・・?」

「ええ、そうよ。」

「そ、それは、いつ?いつなの!?」

主婦の胸元を掴み、マリーは怒鳴った。

「痛いじゃない!

オリジン計画が始まって半年くらいしてからよ!もういいでしょ!

離してちょうだい!」

主婦はマリーの手を振りほどき、後ろを何度も振り返り怒りながら帰って行った。

マリーはあまりのショックにその場に座り込んでしまった。

《どうして、お父様、自殺なんて・・・》

父親の全てを知っているとは言わないが、マリーといる時の父親は

いつも威厳があって、どんな時も弱音を吐かない

強い父親でもあり経営者でもあった。


昔父親に聞いた事があった。

その話とは、研究所で働いていた頃

とても仲のいい友達でもあり、ライバルと言える存在の仲間がいたらしい。

でも、ある事がきっかけで、その友人とはお互い別々な道に進み

友人は研究所に残り、父親は製薬会社を作ったと聞いていた。

その時ですら、大変な事が多かったらしいのだが

決してあきらめず、人の役に立ちたいと奮起したという話を聞いていた。

そんな父が自殺など考えられなかった。

マリーは他にも見て回る予定を変更してコロニーに戻る事にした。

マリーと入れ違いに屋敷の前に表れた者がいた。

それはレオンだった。

レオンはただじっと屋敷を見つめて立っていた。


ハルが物音のする方へ行ってみると、研究所の前に倒れているソンを見つけた。

「ソンさん!、どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」

ハルはソンを抱き起こそうとして、自分の手の平にべったりと血が付いるのに気がついた。

「血・・・!ソンさんケガしてるんですか!?しっかりして下さい!」

ソンは薄れゆく意識の中で、ハルの腕を掴み、こう言った。

「あの人が・・・・んです・・・

や、やっぱり、あ・・・あの人が・・・・。」

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