ある屋敷の秘密
「犯人は、まだ見つかってないんだけどね。」
「え!そうなんですか!?こ、怖い・・・。」
「気味悪いわよね~こんな家、とっとと掃除を終わらせて帰りましょ。」
マリーは二人に聞きたい事があったが
主婦達は家の中に入り掃除を始めた様だった。
製薬会社の社員の家を掃除しているのなら
主婦達は何か知っているかも知れないと考えたマリーは
二人が出て来るのを待つことにした。
思ったより早く屋敷から出て来た2人は、別々の道に分かれて帰って行った。
マリーはその内の1人を追いかけ、話しを聞いてみた。
突然背後から話しかけられた主婦は、驚いた形相でマリーを見た。
「さっき、あなた達の話が少し聞こえたんだけど
あの家のご夫婦って、殺されたの?
それっていつの話し?」
「ああ、ビクトリア夫妻の事?
え~っと、いつだったかしら・・・?
あ!そうそう、昔、オリ・・・何とかって言う計画があったじゃない?」
「オリジン計画?」
「そうそう、そのオリジン計画、あれが始まる半年前くらいの事だったわ。
夜遅くに入られた泥棒に2人とも殺されたみたいよ。
お嬢さんがいたみたいなんだけど・・・。」
「お嬢さん?」
「ええ・・・名前は忘れちゃったけど
そのお嬢さんだけが助かったって言う話なのよ。
ほら~ここらへんは大金持ちが多いから
それで泥棒に入られたんじゃないかって、みんなが噂してたわ。
なんせ、ここは、あの自殺した会社の社長さんが作った街でしょう~
そりゃあ、みんな住んでみたいだろうし、お金も持ってるって
思われても仕方が無い事だわよね~」
まだ主婦の話は続いていたが、マリーの耳には
入ってこなかった。
《え!お父様が自殺したって・・・何かの間違いだわ。》
「そ、それってマ・・マイク=エンドの事・・・?」
「ええ、そうよ。」
「そ、それは、いつ?いつなの!?」
主婦の胸元を掴み、マリーは怒鳴った。
「痛いじゃない!
オリジン計画が始まって半年くらいしてからよ!もういいでしょ!
離してちょうだい!」
主婦はマリーの手を振りほどき、後ろを何度も振り返り怒りながら帰って行った。
マリーはあまりのショックにその場に座り込んでしまった。
《どうして、お父様、自殺なんて・・・》
父親の全てを知っているとは言わないが、マリーといる時の父親は
いつも威厳があって、どんな時も弱音を吐かない
強い父親でもあり経営者でもあった。
昔父親に聞いた事があった。
その話とは、研究所で働いていた頃
とても仲のいい友達でもあり、ライバルと言える存在の仲間がいたらしい。
でも、ある事がきっかけで、その友人とはお互い別々な道に進み
友人は研究所に残り、父親は製薬会社を作ったと聞いていた。
その時ですら、大変な事が多かったらしいのだが
決してあきらめず、人の役に立ちたいと奮起したという話を聞いていた。
そんな父が自殺など考えられなかった。
マリーは他にも見て回る予定を変更してコロニーに戻る事にした。
マリーと入れ違いに屋敷の前に表れた者がいた。
それはレオンだった。
レオンはただじっと屋敷を見つめて立っていた。
ハルが物音のする方へ行ってみると、研究所の前に倒れているソンを見つけた。
「ソンさん!、どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」
ハルはソンを抱き起こそうとして、自分の手の平にべったりと血が付いるのに気がついた。
「血・・・!ソンさんケガしてるんですか!?しっかりして下さい!」
ソンは薄れゆく意識の中で、ハルの腕を掴み、こう言った。
「あの人が・・・・んです・・・
や、やっぱり、あ・・・あの人が・・・・。」




