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『西村賢太論』

『西村賢太論…その文体の基軸』

『西村賢太論…その文体の基軸』



西村賢太の書物を、急死してからというもの、ずっと集めていた。無論、その師匠である、藤澤清造のものも、収集してはいたのだ。しかし、藤澤清造の、『根津権現裏』、『藤澤清造短篇集』、『藤澤清造 負の小説集』、どれを読んでも、西村賢太の文体の基軸となっている文体は、見つからなかった。

実に不思議だったのは、通常、歿後であっても、弟子足るものは、師から何かしらの文体の影響を受けるものだ、と思っていたので、拍子抜けしたのである。面白くないということではない、藤澤清造の小説は面白いし、西村賢太が好んだというのも、良くわかるのだ。



そうして、西村賢太の急死から、続々と特集が組まれ、最後の小説『雨滴は続く』も発売となり、西村賢太の影響は、大きく文壇に攪拌したとは思う。西村賢太の影響によって、藤澤清造が好まれ、藤澤清造の面白さによって、更に、西村賢太の小説が躍動する、この様な状況だった。

丁度、様々に小説や雑誌が発売されるなか、今年の6月13日に、『藤澤清造随筆集』という本が出て、自分もそれを予約していて、13日に届き、目を通したのだが、端的に言って、藤澤清造の『根津権現裏』、『藤澤清造短篇集』、『藤澤清造 負の小説集』、のどこにも見当たらなかった文体が、随所に見られた。



そうして、そこに、西村賢太の文体の基軸となる文体が、様々な箇所に、見られたのである。つまり、西村賢太の小説の文体の基軸となっていたものは、この、藤澤清造の随筆から学んだものだったのだろう。そういう風に思った。そしてまた、藤澤清造が、随筆において、これ程上手く筆を運べるということも、知ることになった。

藤澤清造の随筆集は、思うところ、『根津権現裏』、『藤澤清造短篇集』、『藤澤清造 負の小説集』の、どれよりも、自分にとっては面白かったし、敢えて言えば、芥川龍之介の、当時の様々な言動も沢山書いてあったので、一挙両得と言ったところだ。西村賢太、その文体の基軸は、藤澤清造の随筆集にあったと、考えて適切だと、今、思っている。

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